(2004.03.05)

1ページ目 【二院制の基礎知識(1)】
2ページ目 【二院制の基礎知識(2)】
3ページ目 【議会のリストラか慎重さか】

【二院制の基礎知識(1)】
もりあがりつつある一院制論議のためにお勉強


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昨年の衆議院総選挙のあともりあがってきた憲法改正論議。平和憲法の源といえる憲法第9条だけが中心かと思ったら、それだけではなく、いろんなところを改正しようという声が上がってきています。

なかでも注目すべきは、「国会を一院制にしてはどうか」という議論ですね。一院制、つまり今ある衆議院・参議院を統合するか、どちらかをなくすかして、一つの議院で国会を構成しよう、というものです。

日本のように、国会が衆議院、参議院とか、議会が上院、下院というふうにわかれている制度のことを二院制(または両院制)といいます。二院制は、大きくわけて3つのタイプに分けることができます。

(1)連邦制をとっている国の二院制
(2)ある階級の代表と国民の代表で構成される二院制
(3)どちらも国民の代表で構成される二院制


(1)の典型は、アメリカの議会です。アメリカは50の、かなり独自性の強い州からなっている連邦国家です。州ごとに憲法、法律を決めているくらいですから。

そんなアメリカで、ただ単に国民の数に比例して国会議員を決めていると、人口の少ない州はあまり代表をだせず、不利益をこうむることになります。そこで、州の代表を別に置くことになっています。これが上院で、国民の数に比例して選出されるのは下院です。

ドイツも連邦制をとっており、上院にあたる連邦会議では議員選挙がありません。各州がそのつど代表を送っているのです。

ほかにもロシア、カナダなど連邦制をとる国はたいてい連邦代表+国民代表というかたちの二院制をとっています。

(2)の典型は、イギリスの議会です。上院はいわゆる「貴族院」で、世襲貴族や一大限りの貴族などから構成されています。

中世のヨーロッパでは、身分ごとに議会が分かれていました。フランスにあった「三部会」は世界史を習った人なら覚えがあるでしょう。貴族・僧侶・庶民の議会です。この伝統が、二院制のもとになったのです。

フランス議会の上院(元老院)も、貴族ではありませんが、市町村長や市町村議員たちが大半を占め、支配層的な人びとから構成され、国民から直接選挙された下院(国民議会)と対峙(たいじ)しています。

ただ、(2)の場合、現在では国民から直接選ばれた下院のほうに権限を多く与えているのが普通です。

日本は典型的な(3)のケースですね。次のページでお話しましょう。