サブプライム問題表面化で、モノラインの業績が悪化
それでは、なぜ今になってモノラインが問題になっているのでしょうか?それは、昨年夏以来のサブプライム問題の表面化で、モノライン企業が支払う保証額が大幅に増大しているためです。モノライン企業は金融商品の保険会社であるので、当然ながらサブプライム関連の商品も多数保証対象に入っていました。そしてサブプライムが問題化するにつれて、関連商品が次々と支払い不能になり、モノライン企業の補償額が増えていきました。
これは言わば、災害が起こったために、損害保険会社の保険金支払いが増大して、損害保険会社が苦しくなっているようなものです。ある試算では、モノライン業界全体の損失額は日本円で4兆円程度にもなると言われています。業績悪化をそのまま反映して、モノライン各社の株価は昨年夏以来下がり続けています。
そして格下げによってさらに事態は悪化も
モノラインのビジネスは信用になって成り立つが、格下げになるとその信用が低下する。 |
もともとサブプライム関連商品や他の金融商品は、モノライン企業の存在によって、その安全性が信頼されていた部分が大きいのです。それがモノライン企業が格下げになると、地方債などあらゆる金融商品の信頼性が下落します。最悪の場合、世界的な金融危機にも発展する可能性があります。
→次ページ。このような状況に対して、いろいろな企業や個人が救済を申し出ています。