文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
日銀は日本銀行の略です。ちなみに読み方はニッポンギンコウです。福井総裁が就任直後に、ニホンギンコウと言って、間違いを指摘された、なんていうエピソードもあったようです。今回は、身近なようで、実は何をしているところ?日銀についてお伝えします。
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日本の金庫番の中を探ってみることにしましょう |
日銀は何をする銀行?(1P目)
日銀って国の機関なの?(3P目)
日銀って何をする銀行?
●お金を発行するところいよいよ、2004年11月1日から、新紙幣が市場に流通します。
2000円札を除く1000円、5000円、1万円の3種類の紙幣を、20年ぶりに新しいものにします。
普段私たちが何気なく使っているお札は「日本銀行券」という「券」です。日本でお金を発行できるのは、現在は日銀だけです。
●政府のお金を管理する銀行
政府のお金とは、税金です。
税金や国債などを管理しています。一般の民間人は、日銀に口座を持つことができません。
日銀に口座を持つことができるのは、政府や金融機関だけです。
●銀行のための銀行
金融機関が持つ、日銀の口座を「日本銀行当座預金」といいます。当座預金とは、出し入れが自由な無利子の預金のことです。
日本銀行当座預金の役割は、主に次の3つです。
(1)金融機関が他の金融機関や日本銀行、あるいは国と取引を行う場合の決済手段
(2)金融機関が個人や企業に支払う現金通貨の支払準備
(3)準備預金制度の対象となっている金融機関の準備預金、
実は、市中銀行(普通の銀行)の金庫には、あまりお金は入っていません。銀行は、皆さんから預った預金を貸付に回しています。
例えば、取り付け騒ぎなどが起こって、預金者が銀行にお金をおろしに殺到したら、銀行は対応ができなくなってしまいます。
そういう場合、銀行はまず、他の銀行にお金を借りるのですが、それでもまだ足りない場合には、日銀に借りることになります。このため、日銀は「最後の貸し手」とも呼ばれています。