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従来型の退職金・企業年金制度とは?

従来型の退職金・企業年金制度を解散する企業が増えています。その理由と今後の動きを含めた、制度の概要を説明します。

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
では、さっそく日本の企業が取り入れている主な企業年金をご紹介しましょう。
現在は、退職金や企業年金が、経済の流れと共に変わっていく、過渡期にあります。なので、既に新しい制度を取り入れている企業もあれば、従来型の制度を続けている企業もあります。新旧両方の制度が混在している企業もあります。
自分の退職金や年金がどんなしくみなのか、チェックしてみて下さい。

<INDEX>

廃止が決まっている退職年金~税制適格退職年金(1P目)
今までの制度で一番メジャー~厚生年金基金(2P目)
中小企業に多い制度~中小企業退職金共済制度/特定退職金共済制度(3P目)

廃止が決まっている退職年金~税制適格退職年金

国の年金制度改革の中で、平成24年度をもって廃止されることが決まっています。そのため、今後は他の制度へ変更する動きが出て来ると思われます。

この税制適格退職年金は、他の制度と比べると制度の自由度が高く、その会社に合った独自の退職年金のルールを作ることができました。
お札
退職金ももらえるだけでも良い?
退職年金等の給付額を会社の財政状態を見ながら決めることができたので、バブル期に急速に普及して行きました。
ところが最近は長引く株価低迷の影響で、本来予定していた運用利益を得ることが出来なくなり、保険料(掛け金)の引き上げをしたり、不足分(積立不足)の穴埋めが必要となってしまいました。
そのため、契約の解約や給付の減額をする会社もずいぶん出てきました。

税制適格退職年金は、会社が信託銀行や生命保険会社と契約を結んで、社員に退職年金を支払う制度です。契約の内容は、信託銀行や生命保険会社が、会社や社員から預かった保険料(掛け金)を運用し、会社に代わって退職年金を給付するというものです。
ただし、退職金規程(退職年金規程)に定めた退職金(退職年金)を支払う責任があるのは会社です。保険会社や信託銀行ではありません。会社と社員との間で、誰にいくら支払うかなどのルールを作ります。このルールがが退職金規程(退職年金規程)と呼ばれるものです。

(1)いくら受け取れるの?

税制適格退職年金がいくら受け取れるかは、それぞれの会社のルールによって違います。税制適格退職年金は、会社のルールである退職金規程を元に、信託銀行や生命保険会社と契約を結ぶものだからです。
退職金規程(退職年金規程)で確認してみましょう。

(2)受け取るための手続きは?

<定年退職>
退職時に、会社が契約している信託銀行や生命保険会社に手続きをとり、年金で受け取るか、一時金で受け取るかを選択します。
書類に必要事項を記載し、保険会社などへ手続きを申請します。

<中途退職>
会社の担当者が手続きをします。あなた自身は何もする必要はありません。

<年金受け取り時>
年金給付を受ける権利のある場合は、年金を受け取れる時期になったら、保険会社や信託銀行の指示に従って、給付を受ける手続きをします。

(3)転職したらどうなるの?

・年金を受け取る権利
退職時に一時金を受け取らない場合は、年金をもらう権利が守られます(ただし退職時に退職年金を受け取る権利を持っている場合)。転職しても、勤めたそれぞれの会社での権利を持つことになります。
中途退職時に一時金としてもらうと、将来の年金として権利はなくなります。

・転職を繰り返した場合の注意点
退職時に一時金でお金を受け取らずに転職を繰り返し、将来、年金で受け取る場合には、退職後に渡された年金証書を、その都度、ホチキスなどで年金手帳に止めてきちんと保管しておきましょう。
くれぐれも年金の請求忘れのないよう、注意してください。

次のページは、今までの制度で一番メジャーな厚生年金基金について説明します。
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