サブプライムローンは、信用力の低い人向けの住宅ローン
各国の中央銀行による大量の資金供給で、連鎖株安は本当に歯止めがかかる? 写真提供:フリー画像素材EyesPic |
また、金利が段階式に上がるなど、借り入れ当初の数年間は、通常のローンより返済負担が少なくなっているのが特徴です。
住宅価格の頭打ちで、焦げつき発生!
では、サブプライムローンは、なぜこんなに世界市場を混乱させた? アメリカでは、2003年後半以降の「住宅ブーム」により住宅価格の上昇が続き、サブプライムローンの借り手は、上昇分を担保にして金利の安いローンへの借り換えが可能でした。しかし、住宅価格の頭打ちでこれができなくなり、延滞や差し押さえが増え、その結果、不良債権化する傾向が強まりました。そして今年3月、大手住宅ローン会社が経営難に陥ったのをきっかけに、1ページで見た連鎖株安が世界の主要市場を駆け巡ったというわけです。一方、こうしたサブプライムローン債権は、小口証券化によりさまざまな金融商品に組み込まれ、国際的に販売されていました。そのため、これらに投資していたアメリカ・ヨーロッパの金融機関やヘッジファンドが相次いで損失を被り、世界的な信用不安が拡大! リスクの高い株式を売って、より安全な国債などを買う動きが加速し、世界同時株安を引き起こしました。
では、サブプライムローン問題の国内外の市場への影響は、今後どうなる? → 次のページへ