致死率はなんと100%! ヒトからヒトへの感染は……
あなたのかわいい~愛犬、「狂犬病」の予防注射は、毎年ちゃんと受けている? 写真提供:My photograph |
「狂犬病」の名の通り、犬からヒトへと感染するケースがとても多いのですが、意外にも、猫・アライグマなどから感染する例もあるのです。
最近のペットブームで、犬以外にもさまざまな動物を飼う人が増えているご時勢、ちょっと心配?
ただし、ヒトからヒトへと感染することは、通常ありません。ちょっと安心……。
「狂犬病」にかかった動物にヒトが咬まれると、傷口から唾液に含まれるウイルスがヒトの体内へと侵入します。1~3ヶ月の潜伏期間を経ると、風邪に似た症状が出たり、傷口に痛み・痒みなどを感じたり……。そのうち、恐水・恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状が現れ、昏睡状態へと陥り、最後は、呼吸障害でほぼ100%が死亡!
そう言えば、1ページで見た発症例でも、上記と同じ症状が出ていましたね。
発症しやすい年齢は特にありませんが、一旦発症すれば、数日以内にまず間違いなく命を失う「死の病」。ヒトだけでなく、動物が発症した場合も死に至ります。
予防の決め手は、ヒトと犬のワクチン接種!
「狂犬病」は残念ながら、発症後の治療法がありません。だから、発症する前の予防がとても大切になるのです。では実際、東南アジアなど「狂犬病」が多い国へ行く場合は、どんな予防策をとればいいのでしょう?
■出発前に予防接種(暴露前接種)を受けておく。
■現地では、犬や野生動物などにむやみに手を出さない。
■「狂犬病」の可能性がある動物に咬まれたら、傷口を石鹸と水でよく洗い流し、病院で診察を受ける。感染が疑われる場合は、できるだけ早くワクチン接種(暴露後接種)を受ける必要があります。
予防の決め手はワクチン接種!と、言えそうですね。ちなみに、1ページの発症者は2人とも、ワクチン接種を受けていなかった模様……。
もちろん、ヒトの予防以前に、動物の感染自体を防ぐことが先決です。日本では、犬・猫・アライグマなどを輸出入する際、検疫でチェック。また、国内の飼い犬に対し、登録と年1回の予防注射を義務づけています。
ちなみに、登録されている犬のうち、予防注射を受けている犬は73.9%(2005年度)。残り約26%の飼い主さん、予防注射は、毎年ちゃんと受けてくださいね!
最後に、年末年始に海外旅行を計画しているみなさん、出発前に以下の関連サイトで、感染症情報のチェックをお忘れなく!
【記事の関連サイト】
・厚生労働省、狂犬病について
・厚生労働省検疫所、海外感染症情報
【ガイドからご案内】
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・えっ、もうすぐ残業手当がつかなくなる?!
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