OECD(経済協力開発機構)は、20日に日本経済に関する報告書を発表しました。それによりますと、日本の相対的貧困層(所得から税金などを引いた可処分所得が低い層)の割合は、2番目に高いそうです。多くのマスコミが報道しているのはここまでですが、報告書をよく読み解くと、少し違った事実も見えてきます。

実際にどのくらい相対的貧困層がいるのか?

生産年齢人口の可処分所得による相対的貧困層の割合(2000年)
OECD加盟国の相対的貧困層の割合表
OECD全体の平均は8.4%
出典:「日本経済報告書」(OECD)

まずは「相対的貧困層」の定義について改めて説明しましょう。この報告書内で言う相対的貧困層とは、可処分所得が国全体の中間値の半分以下である家計を指しています。日本の可処分所得の中間値は、だいたい470万円程度です。ですので、ここでいう相対的貧困層に属する世帯は、年間の可処分所得が約235万円以下の世帯になります。

さて、上の表が最近マスコミで広く報道されている、「OECDの発表では、日本は先進国で2番目に貧困層の割合が高い」という事実を示すデータです。しかしながら、今回2位になったデータで実際に統計を取っているのは17ヶ国だけで、OECDの加盟国である30ヶ国全てではありません。

また上の表の数字は生産年齢人口のみの統計です。これが全年齢層になると、相対的貧困層の割合は、日本は調査国26ヶ国中5番目に高いという結果になります。

同時に、生産年齢人口の統計を取った17ヶ国というのは、ほとんどが欧米諸国だけになっています。ヨーロッパと北アメリカ大陸にない国では、日本以外ではオーストラリアとニュージーランドが入っているだけです。全年齢層データの26ヶ国にあって、日本よりも相対的貧困層の割合が高かったトルコやメキシコは入っていません。同じアジアの韓国もないですし、また旧共産圏のポーランドやハンガリーもありません。

→今度は、OECDの分析による貧困層拡大の原因を探ってみましょう。