最近、「日本の財政赤字は先進国で最悪だ」「国の多額の借金が将来の国民の負担となる」などといわれています。そこで、この連載講座では、まず、財政の仕組みについて簡単に説明し、次に、日本の財政の支出と収入の現状を説明します。次に、日本の財政赤字の現状を明らかにします。そして、最後に、さらに財政赤字と累積した公的債務(借金)が経済に及ぼす影響について解説します
財政の仕組み-予算と国債
■ポイント1.予算には、本予算、暫定予算、補正予算の3つがある。
2.国債には、建設国債と赤字国債がある。
第1回は、財政の仕組みの解説です。財政の仕組みは非常に複雑で、多岐にわたりますが、ここでは、国家予算と国債についての基礎知識の一部をご紹介します。まずは、予算について。
予算とは、国の収入と支出の見積もりです。予め計算するから「予算」です。この予算には、年度前に作る通常の予算(「本予算」、あるいは「当初予算」とよばれます。)の他に、「暫定予算」「補正予算」があります。
暫定予算とは、新しい年度の始まる前に予算が成立しないときに(予算がないと、新年度から困ってしまいますので)必要な範囲で暫定的に作る予算です。ですから、暫定予算は、本予算が成立すればなくなります。
補正予算とは、年度の途中で、天変地異や経済状況の変化や政策の変更により、当初の予算を執行することが不可能であったり不適切であるときに、本予算の内容を変更する予算です。この補正予算は、毎年のように行われています。平成13年度は、第1次補正予算、第2次補正予算と、2回の補正予算が組まれました。
予算は、財務省が各省庁の要求を取りまとめ、閣議で決定し、国会の議決を経て成立します。
次のページでは、国債についてお話しします。