【参議院に「総選挙」はない】
衆議院の選挙は「総選挙」なのに、参議院の選挙は総選挙とはよばないの、知ってました? なぜでしょう。
参議院議員の任期は6年。衆議院議員の4年とくらべ長いですね。実際には衆議院には途中で解散することがあるのでその差はもっとあります。これは、【衆議院→今の国民の意見を反映させた議論を】【参議院→時代や雰囲気に流されない慎重な議論を】という役割分担がされているからなのです。
さらに参議院議員を2グループにわけ、任期を3年ずらす。とうぜん選挙も3年ずれます。こうすることによって、すべての参議院議員が「今年は選挙だ」ということで浮ついてしまうようなことがなくなり、より「慎重な議論」が実現することになるわけです。
だから、いっぺんに全員選挙し直す衆議院は「総選挙」、そうではない参議院はただたんに「選挙」というわけですね。3年前に当選した参議院議員は、あと3年任期が残っているので、選挙に出る必要はないわけです。
ほかにも、【参議院→時代や雰囲気に流されない慎重な議論】を実現するための制度としては、衆議院議員の被選挙権(立候補する権利)が与えられる年令が25歳以上なのに対し、参議院議員のそれは30歳以上となっていることが1つ。
また、衆議院議員は全国を300に分けた小選挙区と、11に分けた比例代表ブロックから選ばれていますが、参議院議員は47都道府県ごとの選挙区と全国共通の比例代表ブロックから選出されていること。
このようなことから、参議院議員には衆議院議員よりも慎重な議論ができる人、より広い視野から議論ができる人が求められているといえます。