給料以外の所得がなく、会社の仕事以外に打ち込めることも、やりたいこともない。人間関係も、家族を除いては、会社の同僚や取引先など仕事関係のつながりばかり・・・。日本の多くのサラリーマンの姿です。いわば「ぶら下がリーマン」といえるこのような人々の場合、週末起業は可能なのでしょうか?典型的な例を見ながら、検証してみましょう。
ぶら下がりーマンのケースはこうせよ!
Aさんは、金融系の会社に勤める35歳サラリーマンです。彼は入社以来、会社の仕事一筋で過ごしてきました。理由は会社の仕事にやりがいがあるからです。勤めている会社は業績も好調で、すぐに潰れる可能性もないと思えます。さらに彼はまだ若く、上司からの覚えもめでたいため、出世も夢ではないと考えています。待遇がいいことも、彼の会社依存に拍車をかけています。しかし最近、そうした会社一筋の人生に水を差す出来事がありました。同期入社の1人が自分を抜いて、管理職に抜擢されたのです。自分を同期でナンバーワンだと思っていたのでショックでした。
そんなできごと以来、自然に社外にも目が向くようになりましたが、週刊誌などを見ると不安な記事ばかりが目立ちます。歴史ある大会社が、不祥事をきっかけにあっという間に赤字転落したり、倒産したりしています。会社が生きながらえても、多くの場合、社員がクビを切られています。自分がその1人にならないとも限りません。
時代は変わっても、Aさんのようなサラリーマンが多数派です。会社の仕事のほかに打ち込めるものもなく、給与以外の収入もない状態です。特に、Aさんの場合、なまじ会社の居心地がいいところに会社依存を強めた一因があります。これまでなら会社からの自立など考える必要もありませんでしたが、問題はいつまでこのままいけるかどうかわからないことです。業績が傾けば、真っ先にリストラもあり得ます。そのリスクは歳を重ねるごとに高くなります。
Aさんのように自分が置かれた状態に不安を感じるなら、そこから目を背けるのでなく、行動を起すことです。ただ、現時点で安定しているなら、安易に辞めるのは得策ではありません。だから、週末起業なのですが、これまで会社に依存しきっていた人が、いきなり週末起業を始めることは困難です。どうすればいいのでしょうか?
ぶら下がりーマンAさんへの処方箋
Aさんに相談を持ちかけられたとき、まず週末2日のうち1日を、必ず自分だけのために使ってみることをアドバイスしました。その時間はとにかく没頭してみることを勧めました。さらにお金の一部も、自分のために使うことを約束してもらいました。目的は、やりたいこと探しです。お金儲けは二の次です。
いろいろ考えた末、Aさんはファイナンシャルプランナーの勉強を始めました。これが本当にやりたいことがどうかはわかりませんし、これで食べていくのは難しいとも聞いています。それでもとにかく土曜日は学校に通うことにしました。
最近、彼からメールをもらいましたが、彼はなんと、靴職人を目指すことにしたそうです。ファイナンシャルプランナーはどうなったのかと思ったら、なんでも勉強仲間に靴づくりの修業をしたという人がいたというのです。
Aさんはこの出会いがきっかけで、自分が無類の靴おタクであることを思い出しました。これまでお小遣いの多くを靴の購入費につぎ込んできました。ただ、それがビジネスになるとは思えなかったので、趣味は趣味としておいていたのだそうです。ところが、勉強仲間に靴作りについていろいろと話を聞くうちに、がぜん興味がわいてきたとのことです。
このように、何かひとつでも行動を起すことで、それをきっかけに変化が現われます。山登りでもそうですが、ふもとにいると山頂ははるか彼方に見え、とても登れそうに見えません。しかし、少しでも登ると見える景色が全く違ってきて、「もしかしたら登れるのでは?」と思えるようになります。思いあぐねているくらいなら、なんでもいいから行動してみることです。すると少し視野が広がって、そこから次の展開が見えてきます。
こうして気がつけば、本当にやりたいことに出会い、それを大切に育てていくことで道は拓けます。やがて収入を生むようになり、さらにその収入が本業をしのぐほどの収入を生み、独立開業できるほどのビジネスになる可能性があるのです。
▼ガイドリンク集より
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