【1】
ビジネスで重要なことは、何でも自分で出来ることではない。必要なときにいつでも他人のチカラを調達できることだ。
そのためには、自分の周りに「対人関係」すなわち「自分ネットワーク」を築いていることが必須だ。
これは人脈とは違う。異業種交流会やセミナーの立食パーティーで名刺を配りまくっても築けない。
こうした出会いは記憶に残らないのだ。
出会いに小さな感動、感嘆符“!”がつく出会いと対人関係をたくさん作ろう。
これが豊かな人生を約束するはずだ。
【2】
自分ネットワークを築くには単に“面識がある関係”から、お互いに相手の“キャラクターを理解している関係”にならなければだめだ。
そのために有効なことは“問いかけ”だ。いい問いかけを受けるとそれがきっかけで思考が深まり、自分でも驚くほど的確な表現が出てくることがある。
そうなると相手に感謝の気持ちを感じる。だから相手の印象が残る。
相手を感動させる問いかけをするには、相手が一番話したいことは何かを想像し、それについて問いかけてみることだ。
これにより会話が深まれば、個人的な対人関係が深まる。
“問いかけ”は相手に関心があることの証である。言い換えれば、愛情の表現なのである。
【3】
対人関係の邪魔をする小道具は名刺だ。
これは相手に表面的なレッテルを伝える。すると自分を相手にレッテルだけで印象付けてしまう。
だから、名刺に頼ると自分の魅力は伝わらない。
逆に相手を名刺で判断すると相手が感動するような“問いかけ”もできなくなる。
これを避けるには名刺の通用しない世界に出かけてみることだ。
そこでは、仕事も肩書きも言わずに「自分は何者か」を必死に伝えなければならない。自分をさらけ出せたときだけコミュニケーションが成り立つ。
これは極めて当り前のことだが、名刺はこの当り前のことを忘れさせてしまう。
【4】
人間関係を深めるのはマイナスモードの話だ。例えば失敗した話、出来なくてあきらめた話、コンプレックスの話など自分の弱さをさらけ出す話だ。
普通、自己紹介のときに使われるのはプラスモードの話だ。これが出来る、こんな業績がある、こんな成功をしたという自分の強みをプレゼンする話だ。
実は、マイナスモードの話のほうが。相手の印象に残る。また相手との間に心の通う関係を築くきっかけになる。
自分の弱みを真摯に語る人と、聞いている人のエネルギーが流れてくる。相手のプラスイオンが流れ込むから、お互いが癒されてくる。
【5】
相手にフィードバックすることが、相手に安心感を与える。だから対人関係を深める一歩として、フィードバックはとても大事だ。
特に、最近はケータイやインターネットの普及で、個人での情報発信が手軽になった。結果、みんながフィードバックをもとめるようになっている。
そのとき心がけることは二つある。一つは、タイミングだ。出来るだけ早く感想を返すことだ。最初に感想を返す人は2番目以降の人より印象が強い。
二つ目は数をこなすことだ。最初は誰でも戸惑うものだ。ならば、数をこなすべきだ。
またくれぐれも“!”を盛り込むことを忘れてはならない。
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