私がクルマ好きということは「BMW的デザインの家って?」という記事でお話しましたが、クルマ好きの友人と話をするとき、盛り上がるテーマがいくつかあります。その中のひとつに「1台の外車に長く乗るか、国産車を短期間で乗り継ぐか?」というのがあります。「人によって好き好き!」と、結局はこの回答に落ち着いてしまうのですが、このテーマ、実は意外と深く、住宅にも通じるものがあると思うのです。
クルマ選びと住宅選び、通じるところがあると思います。古くても乗り続けられるクルマを選びたいものですね |
外車と国産車の価格差はけっこう大きい
「1台の外車に長く乗るか、国産車を短期間で乗り継ぐか?」という議論が盛り上がる背景として、外車と国産車の価格差が挙げられます。
例えば「BMW的デザインの家って?」のときに取り上げたBMWは、多くの人があこがれる外車の代表格です。その中でも1番ポピュラーな320i の価格は408万円(4ドアセダン、AT、右ハンドル)。片や国産車で同クラスの代表といえるプレミオ(昔の名称はコロナ)の価格は212万1000円(2WD、Gタイプ)です。どちらもエンジンの排気量が2000ccの4ドアセダンという同じパッケージングを採用しています。馬力も320i の110kwに対して、プレミオは114kwと、両者とも遜色がありません。けれども、320i の価格はプレミオの約2倍です。単純な価格競争なら、高価な320i をあきらめ、手ごろな価格のプレミオを選んでしまうところです。
ただし、これは購入時の車両本体価格のお話。両車をどのくらいの期間乗るか(所有するか)で話は変わってきます。
8年乗れば同価格になる!?
一般的に、ドイツ車を中心とした欧州車は耐久性が高いといわれ、モデルチェンジサイクルが国産車と比べて長く、約8年となっています。それに対して国産車のモデルチェンジサイクルは約4年。プレミオは新型発売直後に購入しても、4年後には大きく形を変えたクルマにモデルチェンジしてしまったり、車名までが変わってしまう可能性があるのです(事実、プレミオはコロナという旧名称から変更になりました。反面、BMW320iは1975年の誕生以来、モデルチェンジをしても車名は変わっていません)。
車両価格をモデルチェンジから次のモデルチェンジまでの期間で評価して、1年ごとにかかる費用を算出すると、BMWは8年なので51万円。一方、プレミオは4年なので、53万250円となり、ほぼ同額になります。
つまり、320iに8年乗るのと、プレミオを4年ごとに買い替えるのとでは、価格的に見てほぼ同じというわけで、ココに議論が盛り上がるポイントがあるわけです。
豊かさか新しさか?
実際は、ガソリン代や整備、車検などの年間の維持・メンテナンス費用、保険、税金など、さまざまな費用がプラスしてかかり、それぞれの費用が国産車と外車では異なることや、最近では欧州車のモデルチェンジサイクルが短くなってきたことなどから、単純にこの計算通りにはならないようですし、国産車を買い替えずに長く乗ったり、「新しモノ好きなので外国車を比較的短期間で買い替えたい」と考える人がいることも事実です。
国産車は、その性能のわりに価格が安いので、自然と買い替えのサイクルが短くなるような気がします。それとも、国産車のモデルチェンジが頻繁なので、新しいモノ好きの日本人はつい、買い替えたくなっちゃうというところでしょうか。
ただ、BMWには国産車にない独特のテイストがありますし、年間コストに大きな差がなく、4年で買い替えたとしても、リセールバリューが高く、中古車になっても価格が大きく下がらないのであれば、「一度はBMWに乗ってみたい!」と思う人がいるのは、うなずけます。
さて、実はこのお話、住宅にもあてはまるようなのです。それについては次ページで。