鉄道/SL

古希を迎えたデゴイチが活躍する「SLみなかみ」の旅(2ページ目)

昭和15年生まれの蒸気機関車D51形498号機は、復活したからでも早くも22年。JR東日本のイベント列車用SLとして、すっかり有名になってしまった。東日本各線でふっぱりだこのSLだが、この秋は高崎に腰を据えて「SLみなかみ」として週末と祭日に高崎~水上を往復している。撮ってよし、乗ってよしの「SLみなかみ」の一日をレポートしてみた。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド


D51形498号機を観察してみよう

変装デゴイチ

重装備に変装した最近のデゴイチ

通常のデゴイチ

通常スタイルのデゴイチ(会津若松にて)

水上では、「SLみなかみ」到着後、D51は、すぐに転車台(ターンテーブル)に乗って方向転換をして帰りの運転に備える。しばし休憩となるが、見学スペースがあるので、安心して記念撮影ができる。

ところでD51形498号機を仔細に観察してみよう。元々D51は上の会津若松での写真のようなスタイルをしていたのだが、最近は少し変わったスタイルとなっている。これは、6月の「SLやまなし」運転の際、勾配のある長大トンネル通過対策として装備された集煙装置と変形除煙板(機関車前部の両側にある象の耳のような板のことで、英語でデフレクタと呼ぶ=略してデフ、変形デフのように言う)が特徴で、SL現役時代には、山岳路線では様々な重装備が見られた。今回の「変装」はD51形499号機(498号機とは1番違いの機関車)を真似たもので山陰の後藤工場式と言われる)。いつまで変装が続くのかは不明だが、今のうちにじっくり見ておきたい。
 

上り「SLみなかみ」水上駅発車

水上の見送り

水上温泉街の人たちもSL列車を見送る

さて、15時20分、上りの高崎行き「SLみなかみ」は水上を出発する。ホームでは水上駅長や水上温泉街の人たちが列車を見送ってくれる。あまり煙を吐かない上り列車だが、出発のときだけは汽笛を鳴らし、煙を吐いて勇壮なシーンが見られる。

しばらくは、右手に利根川を見ながら進む。後閑に停まった後、沼田で6分停車となる。

 

天狗

沼田駅の天狗

沼田は、水芭蕉で有名な尾瀬への入口のひとつである。また、近くの迦葉山中腹ある弥勒寺(みろくじ)は天狗信仰で知られ、日本一大きな天狗面がある。それにちなんで、上りホームの天井からは天狗面がぶらさがっている。ふたつあるので、少し下車して記念写真でも撮ってみよう。

 

渓谷の車窓

利根川の渓谷の車窓

沼田を出ると、列車は利根川を渡る。今度は左手に利根川の渓谷が続くが、切り立った断崖など目を見張る車窓が続く。

 
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