防犯に対する関心が高まっていて、最近では、戸建てでも、マンションでも、防犯対策がひとつの特長として取り上げられることが多くなっています。でも、実際には、どんな被害が多く、どこに重点をおいて防犯性能を高めたらいいのでしょうか。
意外に多い空き巣の被害
データ出典:警視庁 生活安全総務課
(平成19年上半期 1月~6月)の傾向(空き巣)より
警視庁 生活安全総務課の統計(平成19年上半期)によると、都内における侵入窃盗(認知件数)のうち、空き巣の占める割合は53.1%。この調査で空き巣とは、家の人などが不在の住宅屋内に侵入し、金品を盗むことを指しています。空き巣以外には、閉店中の店舗に侵入して金品を盗む=出店荒し、会社などの事務所に侵入して金品を盗む=事務所荒しなどがありますが、空き巣が意外に多いことがわかります。それだけ一般住宅が狙われているわけです。
この統計は、平成19年だけに限ったことではなく、過去にさかのぼっても同様の結果がでています。
■空き巣の占める割合
・平成15年 56.6%
・平成16年 60.9%
・平成17年 63.0%
・平成18年 59.7%
では、いったいどんな住宅が被害にあっているのでしょうか。
侵入方法で最も多いのはガラス破り
下のグラフを見てください。
警視庁 生活安全総務課
(平成19年上半期 1月~6月)の傾向(空き巣)より
住宅の中で最も多いのは一戸建てです。しかし、中高層のマンションでもそれなりの数の被害が発生しています。高層階に住んでいるからといって、安心とは限りません。
グラフの「その他の住宅」とは、「一戸建て」や「中高層住宅(4階建て以上)」以外の住宅で、3階建て以下の共同住宅やテラスハウスのことを指しています。
実は、わが家も、数年前、空き巣にあいました。マンションの5階ですが、犯人はバルコニーに面した窓ガラスを割って侵入しました。いわゆる「ガラス破り」といわれる侵入方法そのもので、窓ガラスのクレセント錠のあたりをドライバーのようなもので割り、そこから手を入れてクレセント錠を回し、窓を開けて侵入するという手口でした。
都内における一戸建て住宅対象空き巣の侵入手段 警視庁 生活安全総務課(平成19年上半期 1月~6月)の傾向 より |
空き巣の侵入手段としてガラス破りが最も多いというのは、一戸建てに限ったことではなく、「中高層住宅(4階建て以上)」や「その他の住宅」にも共通していることです。
わが家の場合は、腰窓と掃き出し窓の2箇所の窓ガラスが割られ、入りやすいバルコニーに面した掃き出し窓から侵入されました。家に帰ったときに割れたガラスと散乱した室内を見て、唖然としたのを今でもよく覚えています。
では、どんな対策をとれば住宅の防犯性が高まるのか、次のページで見ていきましょう。