注文住宅/建築費用・見積りの読み方を知る

注文住宅は「値引き」に期待してはダメ!

値引きを要求する人がいますが、マンションや一戸建てと違って、注文住宅の値引きは要注意です。あまり、値引きに期待して、住宅メーカーを選んだり、プランニングをすすめると、いい家は建てられません。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

当サイトのガイドをしていると、ときどき、「住宅ってどのくらい値引きしてくれるものなの?」という質問を受けますが、マンションや一戸建てを購入するのと違って、注文住宅の場合、本来、値引きはないのが原則。ですから、あまり、値引きに期待して、住宅メーカーを選んだり、プランニングをすすめると、長く暮らせるいい家は建てられません。どういうことなのか、詳しく説明しましょう。

注文住宅は目に見えない

注文住宅というのは、住宅メーカーや工務店と、「工事請負契約」という契約を結び、工事をして、家ができ上がっていくわけです。「工事請負契約」とは、「いつまでに」「どんな家を」「いくらで建てるか」を契約するものです。契約前には、完成した家はもちろん、工事中の家があるわけでもありません。つまり、目に見えるものは、図面などの書類だけです。

//imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/2/9/0/1/7/2008112587.jpg
間取りも仕様も決まっていないところから家づくりがスタートするのが注文住宅です
この点が、マンションや一戸建て分譲を購入する場合と大きく違うところです。そして、この違いが、値引きにも関係のある部分なのです。

価格が決まっていないのに値引きはできない

そもそも値引きとは、価格が決まっているものについてだけ、成立することです。マンションや一戸建ての分譲なら、例え、まだ工事中だったとしても、どんな家ができるのか、完成形ははっきりしています。当然、販売価格も決まっています。品質など、完成形を変更せずに、販売価格を下げてもらえるのなら、とてもお買い得です。

しかし、注文住宅の場合は、「どんな家なのか」を打ち合わせをして、販売価格が決まっていくものです。当然、プランや仕様によって価格は変動します。契約前に間取りや設備仕様の打ち合わせをし、間取り図などの提案があるのは、プランの内容を検討しているだけでなく、工事金額も、工期についても、はっきりさせるためです。あやふやな部分があったり、細かい部分が決まっていないと、工事金額や工期が変動する可能性があるわけです。ですから、価格がはっきりしていない段階から値引きの話をするのはおかしいことなのです。

次のページでは、具体例をあげながら、値引きについてさらに話しましょう。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます