古民家/古民家探訪

古くても美しい家。その理由はどこにある?(2ページ目)

街並みや景観に厳しい京都。今回は、市内にある築70年を超える建物を4軒巡りました。どの建物も、古いながらも美しいと思いましたが、そう感じる理由はどこにあるのでしょうか。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド


シンメトリーの外観が美しい館

次に紹介するのは、京都市上京区にある同志社大の敷地内に建つ「同志社アーモスト館」。ニューイングランド・ジョージアン様式の建物は、前述の「大丸ヴィラ」と同じ昭和7(1932)年の建築で、ヴォーリズ建築事務所の設計です。国の登録有形文化財となっています。

レンガの目地は少し太め。ドーマー、窓や雨戸などは白でまとめている


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マンサードという珍しい形状の屋根をもつ、鉄筋コンクリート3階建ての建物
もともとは学生寮として建てられましたが、2008~2009年に大改修をし、海外からの研究者の宿泊施設に生まれ変わりました。エクステリアにも赤レンガを使い、建物との一体感を生み出しています。シンメトリーにまとめられた外観は、年代が変わっても見る人に安心感を与え、いつまでも美しいと思えるデザインです。美しさが変わらないのは、外壁に時間が経っても古びないレンガを使用していることも大きいでしょう。

白とグリーンの組み合わせが清涼感のある洋館

最後に登場するのは、京都市上京区にある「同志社フレンドピース館」。この建物は、今回紹介した建物の中で最も古く、明治20(1887)年の建築。設計者はバーガミーという人だそうです。木造2階建てで、これも有形文化財に登録されています。

現在は職員と学生の交流や、会合の場として使われているそうです


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基本は洋風ですが、不思議と瓦屋根は違和感がないですね
もともとは同志社の宣教医だったジョン・C・ペリー氏の自宅として建てられました。その後、学生寮として使われていましたが、現在は会合などの場として使われているようです。

白い下見張りのサイディングにグリーンの窓枠などを採用した外観はいかにも欧米の家ですが、よく見ると、屋根は瓦葺きです。縦長の上げ下げ窓にカバードポーチなど、洋館らしいつくりに、瓦のような和の素材と、和洋折衷に仕上げられています。この建物が今でも受け入れられるのは、奇抜なデザインではなく、木や瓦など私たちになじみ深くて現代でも使われている材料を使っているからではないでしょうか。
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