建築当時の趣が残る室内

室内を見学していて目を奪われるのは、照明器具、壁の布クロスや紙クロスなど、すばらしい造作や意匠の数々。大理石のマントルピースや角柱などは建築当時のものがそのまま残っているそうです。そのほかに、造り付けの家具や階段の手すりなど、どれを見てもよい材料を使っていることはひと目でわかります。

寝室と壁
左/2階の寝室。大理石のマントルピースが見られます 右/壁のアップ。植物をモチーフにした柄の壁クロスがとてもきれいです

上の写真は2階の南側に位置する寝室。前田侯爵が使われていた当時の様子がしのばれます。

年月が味わいを深める空間

右下の写真は書斎。弓形に張り出した窓が特徴的です。

//imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/2/8/9/8/5/00123.jpg
2階にある書斎。前田家の当主は、窓の多いこの部屋で執務をこなしたのでしょうか
旧前田侯爵家駒場本邸はすでに築80年です。年月が経っても美しいのは、時間が経っても古くならず風合いの増す材料・素材が使われているからでしょう。

手入れが行き届いていることもありますが、外観だけでなく、室内も今でも美しく、味わい深い空間となっています。

確かにこの建物は、私たちの生活とは大きくかけ離れたお屋敷なので、そのままの形やデザインを自宅のプランにいかせるものではないでしょう。けれども、時間が経ったときのことを考えながら家づくりをすることの大切さを実感することができます。いつまでも美しいと思える家を建てるには、どんなものを選んでいけばいいのか、それを考えるきっかけになるだろうと思います。

新築時に一番美しくて、築年数を重ねるとだんだん古く汚くなっていく家では、長く暮らすことはできません。だんだんと風合いの増す材料を選び、手入れをしていくことで、時間が経っても美しいと思える家ができあがるのだと思います。自分の住まいの材料・素材を検討するときに、築年数を経たときのことを考えながら選びたいものです。

旧前田侯爵家駒場本邸(洋館)
住所:東京都目黒区駒場4-3-55 目黒区立駒場公園内
交通案内:京王井の頭線 駒場東大前駅より徒歩12分、
小田急線・東京メトロ 代々木上原駅より徒歩13分、
小田急線 東北沢駅より徒歩13分
電話:03-5320-6862
公開日:水・木・金・土・日・祝祭日
公開時間:9時~16時30分
入館料:無料
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。