インテリアコーディネート/カフェ・レストラン・ホテルに学ぶコーデ術

美しい騙し絵(トロンプル・イユ)の空間

エレガントなレストラン「il Cortile イル・コルティーレ」のパティオには壁一面には美しい騙し絵(トロンプルイユ)が描かれています。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

美しい騙し絵(トロンプル・イユ)が描かれているエレガントなレストラン「il Cortile イル・コルティーレ」

フィレンツェ風パティオは騙し絵空間

静かで落ち着いたパリの一区にあるトラディショナルなホテル「Castille Paris(カスティーユ・パリス)」にある本格的なイタリアンレストラン「Il Cortile(イル コルティーレ)」。このレストランのパティオ(中庭)では、壁一面に描かれたフィレンツェスタイルのtrompe-l’oeil(トロンプル・イユ=騙し絵)壁画を楽しむことができます。


外観
可愛らしいレストランの全景
空腹を覚え可愛いレストランの前で立ち止まってしまう。予約もなく突然に飛び込みと、ゴージャスな内装にスマートなテーブルセッテイング、オープンな厨房から運び出される美味そうなお皿、ウァ~予算オーバーと思いながら連れて行かれたのが、思いがけず青空の下のパティオ空間でした。案内されたのが噴水に一番近いテーブル、周りはゆっくりとランチを楽しむビジネスマンたちの会話が弾んでいました。


フィレンツェに瞬間移動!

通されたパティオにはグロテスク様式の大きな噴水からは水しぶきがあがっています。そしてパティオの壁には美しいトロンプルイユが描かれ、パリではなくいつの間にかイタリアのフィレンツェにでも瞬間移動したみたいです。グロテスク様式は異様な人物、動物、植物などをモチーフにしたもので、奇怪な壁面装飾が特徴です。フィレンツェのピッティ宮殿ボーボリ庭園のグロッタ・グランデなどが有名です。


でもここはパリ、やっぱりエレガンスです!

インレストランとパティオとの境界は天井いっぱいまでのガラス戸で仕切られ、インレストランからは開放感いっぱいに、このパティオの壁画と噴水を楽しむことができるようになっています。ライトグリーンに塗装された窓枠がこの空間をいっそうエレガントな雰囲気にしています。


周りのライトグリーンの雰囲気を大切にした、ナチュラルホワイトのテーブルクロスと淡いオレンジのガラス器、こっくりとしたベージュのチェアカバーがやさしいエレガントさを誘います。テーブルの上のブラックのゴブレットも印象的、そして小さなほんものグリーンが置いてあります。


次ページは「パティオの壁はキャンバス」に続きます。
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