給湯器(給湯システム)にはいくつかの種類がある
日々の暮らしの中で、お湯を生み出す給湯器・給湯システムは、とても重要な設備機器。キッチンやバスルームなどの水まわりの給湯はもとより、床暖房や浴室換気暖房乾燥機などで使用する場合もあります。最近では、さまざまなシステムの機器がみられ、住まい全体のプランニングや費用にも大きく影響するケースも。新築やリフォームの際には、それぞれの特徴を理解し、暮らしにあったシステムを選ぶことが大切でしょう。
<目次>
熱源による分類……ガス・石油・電気
お湯を作り出す給湯器・給湯システムの主な熱源は、ガス、石油、電気。馴染みがあるのは、ガスを用いた給湯器でしょう。■ガス
最近では、高効率ガス給湯器であるエコジョーズが一般的となっています。ガス発電・給湯暖房システムであるエコウィル、家庭用燃料電池のエネファームなど、環境に配慮した新しいシステムもみられます。
■石油
石油を用いる商品としては、排熱を再利用することで、熱効率を向上させたエコフィールがあります。寒い地方で多く用いられています。
■電気
電気を熱源とした商品には、エコキュートや電気温水器があります。エコキュートは、大気熱を利用しヒートポンプユニットで沸き上げるシステム。電気温水器は、電気ヒーターでお湯を沸かす給湯システムです。オール電化住宅とする場合は、給湯器の熱源も電気となるのでいずれかを設置することになりますが、主流はエコキュー トでしょう。
■その他
最近では、電気式ヒートポンプと潜熱回収型ガス機器と併用する、ハイブリッド給湯・暖房システムなどもみられます。
<主な給湯器・給湯システムの特徴>
給湯方式による分類……瞬間式・貯湯式
熱源ではなく、給湯方式で分けると、瞬間式と貯湯式のふたつがあります。■瞬間式
水栓をあけると同時にバーナーが着火、燃焼し、水を熱して、瞬間的にお湯を作り出す方式。使う時に必要な量のお湯を沸かすタイプで、熱源はガスか石油になります。
■貯湯式
タンク(ユニット)にお湯を貯めておく方法。エコキュートや電気温水器、エコウィルやエネファームも含まれます。プランニングの際には、貯湯タンク(ユニット)の設置スペースの確保が必要です。
給湯器・給湯システムは環境配慮、エコロジー性能が進化
暮らしや住まいづくりの中で、環境に配慮することは重要なポイントです。特に多くのエネルギーを利用する給湯器や給湯システムは、各社からエコロジー性能を高めた商品が多く揃っています。大気中の熱を利用してお湯を沸かすエコキュートや給湯熱効率を高めたエコジョーズなどは、一般的な設備機器になってきましたし、ガスでエンジンを駆動させて自宅で電気をつくるエコウィル、都市ガスやLPガスなどから水素をつくり、空気中の酸素と化学反応させることで発電するのがエネファーム(家庭用燃料電池)なども身近なシステムになってきました。リフォームの際に、古い機器から新しい機器に取り替えることで光熱費を抑えることも可能でしょう。
給湯器・給湯システムを選ぶ際のポイント5つ
■Point1 家族構成やライフスタイルを考慮する給湯器・給湯システム選びのポイントは、家族構成やライフスタイル、使用するお湯の量や使い方などを明確にすること。現在だけでなく、将来的な生活パター ンを予測しておくことも必要です。
■Point2 組み合わせる設備機器、機能を明確にする
組み合わせる設備機器、取り入れたい機能や性能(太陽光発電システム、床暖房、浴室換気暖房乾燥機など)を検討し、エネルギー源やシステムを決定することが大切です。
■Point3 設置プラン、スペースを考慮する
選ぶ機器によっては、ある程度の設置スペースを確保しなければならない場合や運転音など隣家への配慮が必要なこともあります。建物本体の間取りプランにも関わるケースもあるので、早めに設計担当者に希望を伝え、相談することが重要でしょう。
■Point4 適した能力、サイズを選ぶ
給湯器・給湯システムには、使用するお湯の量や使い方に合わせて、給湯能力、サイズなどが揃っています。ガス給湯器であれば号数、エコキュートであればタンクの容量(リットル)で示されているので、適したタイプを選ぶようにしましょう。
■Point5 ランニングコストも考慮する
イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも確認も忘れずに。また、設置に関しては、国もしくは地方自治体での補助金制度が設定されている機器もあるので、事前にチェックしておくこともポイントです。
水まわり設備と一緒にショールームで確認する
具体的な商品を選ぶ場合は、水まわり商品やガス・電気会社のショールームなどで実物の確認をすること。最新機器などは、住宅展示場でも設置されているケースもあるので、実際の機器本体の大きさ、リモコンの操作性などをチェックしておきたいものです。給湯器や給湯システムを選ぶ際には、専門的な知識が必要なので、実際の家づくりの中では、設計担当者から提案を確認していくことになるでしょう。新築であれば、配管や配線に関わるため、早めに決定する必要もあります。新しい住まいへの優先順位を明確にした上で、使い勝手や予算などトータルに検討することがポイントでしょう。
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