注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

家の耐火性、高い低いはここで決まる!(2ページ目)

2007年に発覚した大手建材メーカーによる耐火偽装で性能の劣る耐火材が多く出回るという前代未聞の事件が発覚。耐火材は家のどんな部分に使われ、なぜ必要なのでしょうか? 今回は「住まいの耐火性」について基礎知識をまとめます。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

基礎知識2
この部分が要注意―延焼の恐れのある部分とは?

建物どうしが隣接していたり、道路と家が近い場合、一定の距離以内にある部分はもらい火をしやすいため、特に耐火性の高い部材を使わなければならないと決められています。

特に延焼を受けやすく耐火性が求められる部分を延焼の恐れのある部分といいます。隣地境界線、道路中心線、または同じ敷地内の他の建築物(延べ床面積の合計が500m2以下のものは1つの建物と考える)の外壁の中心線から、1階では3m以下、2階以上では5m以下の距離にある建物の部分をいいます(図2参照)。

【図2】延焼を受けやすい部分。道路の中心線や隣地境界から、1階は3m以内、2階以上は5m以内の範囲

【図2】延焼を受けやすい部分。道路の中心線や隣地境界から、1階は3m以内、2階以上は5m以内の範囲

 

もらい火をしやすい部分

つまり、もらい火をしやすい範囲は1階は3メート、2階以上は5メートルです。それは、炎は上に行くほど横方向に広がる性質をもっているからです。

隣の建物から出た炎が燃えうつるのを防ぐために、家の延焼の恐れのある部分に該当する外壁、軒裏、屋根の部分は火災に強い構造にしなければなりません。その範囲内にかかる窓やドアなどの開口部も、火災に強い防火戸としなければなりません。

 

耐火材を使用してもらい火を防ぐ

住宅が密集する地域では隣戸住戸と近いため、耐火性のある建材や窓を使う場所が多くなります。反対に、隣の建物や道路の中心線から5m以上離れていれば、外壁、軒裏でも耐火材を使わずに、木材で仕上げることが可能です。

マンションでも厳しく規制

マンションは敷地が広く隣の敷地の建物と距離があるから安心というわけでもなく、同じ敷地内にある別の建物(ゴミ置き場や自転車置き場など)からの延焼も考慮しなければなりません。消防法の決まりで外廊下側の窓やドアは防火構造にしなければならないなど、戸建住宅より多くの規制がかかっています。

それでは次のページで基礎知識その3、木造一戸建て住宅の耐火性能を見てみましょう。
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