健康住宅はバランスが大事
住宅の健康はなんといっても空気の環境をどうつくるかにあります。シックハウス問題は、建築基準法によりだいぶ改善されました。しかし新製品や新建材が出てくるとまた違った視点が必要となってきます。例えば電磁波です。その危険性がはっきりしないまま医学的な議論が続いています。
住まいの環境は今空気の流れ、光、音など空間性能を総合的に捉えようとする動きになっています。家づくりにおいて気密・断熱一辺倒になることなく、他の要素と合わせて最適解を見つけましょう。
悪玉はホルムアルデヒド
シックハウスでよく悪玉に挙げられるのがホルムアルデヒドです。通常建材中の有害物質は出尽くしてしまえばそれで無くなってしまいます。ところがホルムアルデヒドの場合、最初に含まれるものと、中の物質が分解して放出されるものと2つの発生源があります。やっかいなのが後者で温度が上がると増え、涼しくなると減るものがあります。減ったとしてもゼロにはならず、材料によっては放出し続けるものもあります。
一方自然素材、自然塗料という言葉には安心感を受けますが、これもすべてが安全安心とはいかないので注意が必要です。言葉のイメージだけで捉えるのではなく、きちんとした合理的根拠を確かめることが必要です。
健康住宅は換気計画と結露対策が決め手
・計画換気のススメ
最近の住宅は気密性が上がっているため換気を前提に成り立っています。しかし換気設備というと日本の住宅に入ってから歴史が浅いです。ダクトなどはホコリがたまりやすく、清掃や保守の観点からはあまりお勧めできません。設備は保守と更新を前提に計画しなければいけません。特に換気は計画をきちんと立てておくことが重要です。
・結露を起こさせない
結露は断熱性の低いところに起きます。窓や窓枠などは断熱性能が劣る部分です。カビ、ダニ対策には結露をさせないこと、また室内の断熱性を均一にすることが一番の対策です。