あいまいな床面積の定義
さらに坪単価の対象となる床面積の範囲も明確ではありません。建築確認申請(法規)ではバルコニーは建築物ではなく工作物になるので床面積には入れません。しかし工事範囲なので、床面積に含める考え方もあります。また吹抜けは法規的には床面積に入りません。吹抜けのある家が床面積のわりに坪単価が高いのは、吹抜け部分に足場をかけたり、内装部分の工事の手間が多くかかる為です。このように坪単価の表示には曖昧なところが多くあります。もし坪単価の話になったら、その内容をしっかり聞き金額の中にはどんなものが含まれていて、どんなものが含まれていないのかを確かめ、きちんと書面で提出してもらうことです。そしてそれを持ち帰って自分で内容をもう一度確認することです。そうすれば、家の適正価格が自分なりに判断できます。また価格から、「自分がこだわっている部分だから少々高くても仕方がない」部分や、「今すぐに必要でない」部分というようなことが見えてくることでしょう。
佐川のワンポイントアドバイス
一般に坪単価を表示した家はモデルプランを設定して算出しています。果たしてそのモデルプランは今家を建てようとしている人の満足感を得られるのでしょうか。坪単価で家づくりの依頼先を決め、契約することは失敗・トラブルのもとです。ローコストを望むあまり、坪単価に目移りする気持ちは分かりますが、「坪単価」に対する意識を捨てることが肝要です。坪単価よりも自分の仕様、こだわりを意識し、あらゆる面で納得してから契約することが大事です。特にあまりにも安すぎる坪単価は要注意です。とことん内容を調べ、打合わせをし、時には他社との比較をすることによって、ローコスト住宅は可能です。40年、50年と家は長く生活する器です。あまり目先の数字に騙されないで下さい。
コンクリート打放しの室内。 ローコストだが、結露に留意する必要がある。 |
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