しかし移住実現までの行程には、「決断」しなければならない事柄がいっぱい。あこがれと夢だけではなく、周到な計画と勇気ある判断力が重要です。
ガイドがオススメする、快適な田舎暮らし実現のためのステップ術。
今回の決断は「いかにして子供を親を説得するか」です。
↓決断シリーズ バックナンバー↓
【第1回】田舎暮らし/その決断1 会社を辞める
【第2回】田舎暮らし/その決断2 妻を説得する
【第3回】田舎暮らし/その決断3 家族(子供・親)を説得する
【第4回】田舎暮らし/その決断4 居住地を決める
【第5回】田舎暮らし/その決断5 続/居住地を決める
【第6回】田舎暮らし/その決断6 準備・手続きをする
【第7回】田舎暮らし/その決断7 田舎に住む
【第8回】田舎暮らし/その決断8 郷に入れば郷に従う
【第9回】田舎暮らし/その決断9 起業・就職する
【第10回】田舎暮らし/その決断10 子供の教育を考える
子供も気になる田舎の生活
となりのトトロやDASH村が大好きな子供だったら「一緒にトトロを見つけに行くぞぉ」とか、「北登(ほくと)みたいな犬を飼っちゃうか」とかで、何とか説得はできそうです。でもこれは低学年の場合。もう少し大きくなると「田舎の学校は遠くて通学が大変なんじゃない?」「お友だちと離れるのはイヤだ!」「授業の内容はどうなるの」などの諸問題を、田舎暮しを目指す両親としては解決してやらなければなりません。
昔も今も、田舎の子供たちはタフであり生活力もあります。都会暮らしと比べて家族と一緒に過ごす時間が長いので、それだけ農作業や野菜の収穫などの手伝いもしっかりやらされる。また子供会や地域の祭りなどでは、地元の大人たちが全員で面倒を見てくれることもあり、どこそこの子供としっかりと憶えてくれます。親としては内心、こういう田舎暮しに順応できる子供になってくれるのが目標なんでしょうが。
子供の意見もじっくりと聞き、納得するまで話し合うこと。これが大切ですね。大袈裟にいえば運命共同体ですから。それでは、ガイドが暮らす田舎のケースを参考に、説得をどうぞ。
田舎の学校は楽しみがいっぱい
都市部と比べて校区が広く、公共交通の便が悪い性もあって学校までは片道約40分、近所の子供たちは毎日歩いて通ってます。お友だちと待合せをして集団登校をしていますから、あんまり心配はないようです。それに、田舎の通学路は寄り道が当り前。仲良しの犬に挨拶したり、友だちと一緒にメダカを採ったり、トンボを追いかけたり、毎日がイベントだらけです。ここがイチ押し。
教室はというと、都会と比べ生徒に対して先生の数が多いようです。そのため家族的な雰囲気で、子供のためにはこれが一番良いことですね。親も子供を介して先生とのお付合いもスムーズになり、授業や進学についての相談も親身になってくれそうです。「田舎の先生は友だちになれるぞ!」これでどうでしょう。
田舎の大人は子供の仲間
お祭や一斉草刈りなどの地域行事に、親は積極的に参加すること。そうすればご近所に顔見知りが多くなり、雨の日の学校帰りに車で送ってもらったり、急用で自宅に居ない時にはお隣に預かってもらったりと、地域みんながPTAになってくれます。田舎の運動会や子供会といったイベントは、大人も夢中になるので子供もつられて一生懸命になるようですね。そして、お年寄りも楽しみにして積極的に参加します。彼らは田舎の遊びや野草の名前など、地域の情報も実によく知っている。それに悪さをする子供がいたら、しっかり怒鳴り上げてもくれます。これがまた良い。田舎暮らしの楽しさと厳しさの両方を教えてあげるのが親のツトメです。
さて、両方の親たちにはどう話すか。
親に参加を提案する
「何を好き好んで住み慣れた街を離れるんだ」「今までの仕事はどうするんだ」「田舎は不便だ、それに人間関係も厳しいぞ」「そんなの都落ちだ」・・・充分、想像できますね。これには、我慢強く説得を繰り返すこと。大切なのは自分たち夫婦・子供だけの田舎暮しじゃないことを提案することです。
双方の親が気軽に訪問できる新しい故郷をつくりたい。野菜づくりを教えて欲しい。昔を思い出して田舎の楽しみを満喫して欲しい。そして止めはやっぱり“孫”ですね。「自然の中でのびのびと育てたいんだ」。ありきたりですが、これには反対する祖父母は少ないはずです。
ポイントは、移住後も行き来や付き合いを欠かさず、コミュニケーションを絶やさないこと。感情に走らず辛抱強く、子供として孫の親として説得を繰り返しましょう。
田舎のインタラクティブ
田舎暮らしにもIT機器が普及したとはいえ、都会と比べ子供のためのライブな情報や専門書といったものは手に入りにくいのが現状です。こうした情報不足を含めて親の立場としてはいろいろ悩むことも多い。しかし、一緒に暮らすことのメリットを生かし、子供達と一緒になって相談することが重要なんではないでしょうか。街の人々はケータイやインターネットで情報を相互に交換する。田舎暮らしでは家族の会話で意見を交換する。田舎の勝ちだと思うんですが。
さて、家族の説得はうまくいった・・・
次回は「田舎暮らし・その決断4/居住地を決める」です。