三次元へ変化する蛍光色の丸い紙

一見何の変哲もない、鮮やかな蛍光色の薄く丸い紙。しかしよく目を近づけて見ると、そこには1mmピッチの細い同心円状の切れ込みが入っているのが分かります。その精巧さに思わず息を飲んでしまいます。

そっと淵側をつまんで丁寧にゆっくりと伸ばしていくと、ついにはネット状の壷のような形が出来上がります。この二次元から三次元へのめくるめく変化が楽しい。紙だから簡単に切れてしまうのではという恐れに反して、意外と丈夫なのに二度びっくり。絞るようにしてねじってみても壊れません。

『空気の器』undefined若手建築家ユニット「トラフ」×福永紙工のプロジェクト「かみの工作所」

『空気の器』 精巧なディテールが美しい

底を下にしてテーブルの上に置くとフラワーベース、逆さにするとランプシェードのようにも見えるのです。また、表と裏は別色のリバーシブルの色使いの効果で、見る角度で様々に色が混ざり合い変化していくグラデーション効果も味わえます。

若手建築家の新発想

空気を包みこんだような美しいフォルムを秘めたオブジェ。こんな不思議な紙をデザインしたのが今注目の若手建築家ユニット「トラフ」です。鈴野浩一(すずの・こういち)さんと禿真哉(かむろ・しんや)さんの二人が2004年に設立した建築設計事務所で、これまでに目黒のホテルクラスカのテンプレートのような壁面のインテリアデザインや、原宿のナイキの水族館のようなショップデザインなどで巷の話題をさらってきました。

「かみの工作所」とのコラボレーション

この「空気の器」というタイトルの作品は、立川の福永紙工が2006年に始めたプロジェクト「かみの工作所」の製品のひとつ。これまで印刷紙器会社として培ったノウハウと、デザイナーの斬新な創造性を融合させたプロジェクトです。

「空気の器」が発表されるや、これまでにない斬新な発想が評判を呼び、様々な展示会に出品されてきました。来週9月11日から始まる青山スパイラルのイベント「paper products exhibition」では、スパイラル25周年のイメージを表現した会場の空気を包みこむようなインスタレーションとしてお目見えします。

ランプシェードに使った『空気の器』

『空気の器』はランプシェードとしても重宝する

ちなみに私はランプシェードとして使っています。スイッチを入れると、壁面にモアレのような影が現れ雰囲気を演出してくれます。また、初夏に作った果実酒のラッピングとしても重宝しています。あなたもオリジナルの器造りにトライみては。

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