07年の新しい住宅シーンを考えさせられる さて、もうひとつの玄関から子世帯の居住空間に入ると、こちらは壁一枚を隔てて親世帯の廊下と平行に廊下があり、その壁に沿って水回りが設けられていました。そしてその先が坪庭に面したLDK、さらにキッチンの内壁を迂回する形で奥に寝室があります。 子世帯のリビング、親世帯との視線の交わりをどうするかは自由 リビングからの中庭の眺め、裸足で歩きたい つまり、子世帯の方でも親世帯の方でもリビング+ダイニングが同じ中庭に面しているということで、両者がお互いに目を合わせなくてすむ角度でダイニングテーブルを置くという配置図になっています。これはまあ、いかようにも変えることができますから、暮らし始めてから話し合って決めればよいことでしょう。 ここにもオリジナルの花器が…寝室の天窓、2階の計画もある さらに寝室には、水回りと接続する形でトップライトがあり、そこに登る梯子が設えられていました。これは木造部分ですから、ここに階段を設け、2階を増設する計画もあるとのこと。家族形態の変化に、いかようにも対応できるフレキシブルな設計ということですね。 将来的には2階への階段室になるかもしれない寝室 本音をいえば、私などはこのまま平屋として住んでほしいところですが、子世帯が家族になったとき、親と子が住まいを交換したり、さらに先を考えれば子世帯の居住空間をオフィスとして使うなど、イメージの広がりも楽しめる。ある意味、これをひとつのスタンダードとして、二世帯住宅の規格品を売り出したらけっこう反応があるのでは、と思ってしまいます。 06年最後の住宅ウオッチングは、07年の新しい住宅シーンを考えるのに、大きなヒントを与えてくれる“一品”となりました。来年の納谷兄弟の仕掛けは? 期待したいです。 ■設計監理:納谷学+納谷新/納谷建築設計事務所 ■構造設計:かい構造設計 ■施 工 :成幸建設 ●構 造 :RC+木造、地上1階 ●敷地面積:200.57m2(60.67坪) ●建築面積:120.02m2(36.30坪) ●延床面積:120.02m2(36.30坪) ■納谷兄弟の他の作品はこちら↓ 納谷学+新さんの新横浜のスッキリ住宅 納谷学+新さんの多摩川に浮かぶ家 納谷学+新さんの千歳烏山の家 納谷学・新さんの武蔵小杉の家 納谷学・新さんの学芸大学の家 納谷学・新さんの多摩川の家 ホチキスのようなV字型住宅「調布の家」 納谷兄弟の中野プロジェクト 納谷学・新さんの急斜面に建つ家前のページへ12※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。