オール電化住宅/オール電化住宅の実例・入居者の声

20坪でも広々!眺め抜群のオール電化住宅

多摩川を一望できるオール電化住宅をご紹介します。狭小地ながら、設計の工夫で広々使えるこの家に、オール電化はどう関わっているのでしょうか。

執筆者:粕谷 奈緒子

みなさん初めまして。今回から「オール電化住宅」を執筆することになった粕谷です。
オール電化住宅が誕生してから数十年が経ち、日本ではかなり定着したように思います。これから家をつくりたい!と考えている方はきっと、オール電化にするかどうか、一度は悩むことでしょう。
住宅をオール電化にすることには、色々なメリットや特徴があります。これから実例を交えながら、オール電化住宅とそのライフスタイルを、ご紹介していきたいと思います。

さて、まずは自己紹介を兼ねて、私たちが5年前に、初めて設計したオール電化住宅をご紹介しましょう。

テレスコープハウス
私たちにとって初めてのオール電化住宅「テレスコープハウス」

20坪の狭小地。
建主がそこを選んだ理由とは?

眺望
多摩川の眺望を活かすことが建主の希望でした
この住宅が建つ東京の敷地は、約20坪。いわゆる「狭小敷地」と呼ばれるものです。
では建主はなぜ、この場所を選んだのでしょうか?
その理由は敷地の環境にありました。この土地は、目の前に自動車教習所があり、その先には多摩川の河川敷が広がっています。年に一度の花火大会では、すぐ目の前に巨大な花火を見上げることができます。
たとえ小さい敷地でも、そこから見渡せる風景には、とても大きな価値があったのです。

とはいえ、幅が5mしかない敷地にさまざまな法規制が加わり、実際に建てられる幅はわずか3.5mほど。高さにも厳しい制約があり、敷地の手前半分では2階、奥半分では2.5階が限度。そのなかで、風景につながる伸びやかな住空間をデザインするのは、決して簡単ではありませんでした。

広がりを感じさせる
「立体的につながったインテリア」

テレスコープハウスの建主には、多摩川を見渡すリビングのほかに、もう一つ強い希望がありました。
それは駐車場。自分たちが普段使う車のほかに、親や友人が車で遊びに来られるよう、もう1台分の駐車場が欲しいと考えていたのです。
幅5mの敷地に2台並べられる駐車場となると、そこにはもう、柱一本建てることもできません。私たちは悩んだあげく、建物を鉄骨造とし、思い切ってリビングルームが駐車場の上に「飛び出す」案を考えました(上写真)。

テレスコープハウス
スキップフロア、緩い階段などを採用、立体的につながるインテリアを実現しました
私たちが次に考えたのは、家の内部です。小さな平面なので、階段室をつくると肝心の居住空間(居間や食堂など)が狭くなってしまいます。
そこで、建物を前後半々に分け、床の高さを変える構成(スキップフロア)にしました。さらに、緩い階段、幅の広い階段など、色々な種類の階段で、家の中が立体的に次々につながって行くようなデザインにしたのです。
こうして、小さな家でも広がりの感じられる、立体的なインテリアが、だんだん現実的になってきました。

「立体的につながったインテリア」のために、オール電化を選択した経緯とは? >次ページ
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