生命保険/ライフステージ別の保険選び

転職したら、生命保険の見直しが必要!

終身雇用制度が崩壊して雇用の流動化が進むなか、転職する人も増えています。転職もライフスタイルの変わり目で、保険の見直しドキです。会社員から自営・自由業に転職した場合は、社会保険の保障がダウンするので、死亡保障・医療保障ともに増額の見直しが必要になります。詳しく見ていきましょう。

執筆者:小川 千尋

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職業で加入する社会保険が異なる

会社員が加入している社会保険のほうが保障内容はいい。

会社員が加入している社会保険のほうが保障内容はいい。

皆さんは、職業によって異なる社会保険に加入しています。遺族保障に関わる社会保険は公的年金保険(年金保険)、自分の医療保障に関わる社会保険は公的健康保険(健保または国保)です。まずは、自分はどの公的保険に加入しているかチェックしてください。

●会社員
・年金保険=厚生年金保険(同時に国民年金保険にも加入)
・健保=健康保健組合(主に大企業の会社員)、協会けんぽ(中小企業の会社員)

●自営・自由業者(無職・フリーターも含む)
・年金保険=国民年金保険
・国保=国民健康保険

転職すると、どうして保険の見直しが必要?

会社員と、自営・自由業の人が加入する社会保険の違いは、会社員が加入している社会保険のほうが保障内容はよいことです。

遺族保障に関わる年金保険のおおまかな違いは、次の通りです。夫が死亡した場合、会社員の妻は遺族厚生年金が、子ども(原則18歳未満)がいれば遺族厚生年金+遺族基礎年金がもらえるようになります。対して、自営・自由業の夫が死亡した場合、妻は子どもがいれば遺族基礎年金がもらえますが、いなければもらえません。

病気・ケガで治療を受けたとき、医療機関に支払う医療費の自己負担割合は、どちらの健保でも、原則3割で変わりません。でも、会社員が加入している健保には、療養中の生活保障である「傷病手当金」があるけれど、自営・自由業の人が加入している国保にはありません。つまり、会社員は療養のために会社を休んでも、一定期間は無収入にはなりませんが、自営・自由業の人は無収入になる可能性が高いということ。

生命保険で準備する保障は、社会保険の保障で足りない分を補えばいいと考えるのが大原則なので、会社員と自営・自由業の人では、そもそも準備している保障額は違います。ですから、転職すると社会保険の保障が変わり、それに伴って保障額を見直す必要があるというわけです。

ただし、転職のパターンによっては、見直しは不要のケースがあります。会社を辞めてすぐに別の会社に転職した場合です。このケースは社会保険の保障内容は基本的に変わらないからです。

ここでいう会社員とは、社会保険を導入している会社に雇われている社員のことです。

転職のパターンで増やす、減らすに分かれる

会社員から自営・自由業に転職した人は、社会保険の保障がダウンするので、それを補うために、上乗せする見直しが必要になります。

死亡保障は、遺族厚生年金がなくなる分を補うことになるので、1000万円~2000万円を増やします。保険(保障)期間は、末子が独立するまででいいでしょう。保険期間が10年や15年など、比較的、短い場合は定期保険に追加で加入する方法で増やします。20年以上になる場合は、収入保障保険に加入し直すか、または、もう1つ収入保障保険に加入する方法で増やしましょう。

医療保障は、「傷病手当金」がなくなる分を補いたいので、入院日額5000円~1万円(現在の入院日額と合計して1万5000円が目安)を上乗せします。この上乗せの保障は、現役時代をカバーできればいいと考えられるので、定期型の保障商品(医療保険、または、医療共済)でいいでしょう。ただし、定期型の医療保険は10年ごとの更新時に保険料が上がっていくので、更新後の保険料を調べてみて、将来の負担が厳しそうなら、年齢・性別に関係なく掛金一律の医療共済を利用するという手もあります。もちろん、終身型の医療保険でもかまいません。

あまりないケースかもしれませんが、自営・自由業者から会社員に転職した場合は、社会保険の保障がよくなるので、その分を減らす見直しが必要になります。

死亡保障は、1000万円~2000万円を減らします。これは、現在、加入している保険の主契約か特約を減額すればOKです。医療保障は、現在の保険で準備してある入院日額は1万5000円までなら、特に多すぎることはないので、そのままでかまわないでしょう。

なお、会社勤めは始めたものの、長続きするかわからない場合は、しばらくそのままにして様子をみましょう。一度、減らしたものを増やすのは難しいからです。
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