即戦力の養成と言語の「プロ」を養成
まず、通常の大学では扱われていない言語を学ぶことができる。例えば、「インドネシア語を学びたい」などはっきりと決まっているなら、外国語大学や外国語学部が最適だ。東京外国語大学でインドネシア語を専攻した場合、コースの定員はたった18名。教員は3名。教員一人当たりの環境では、6名という非常に恵まれた環境だ。教育の仕組みは、簡単に言うと2段階になっている。
- 1、2年次 基礎語学能力の習得
- 3、4年次 専門の4コースから一つを選んで研究
3、4年次になると、4つの専門のコースから選択できるようになっている。
- 言語情報コース
- 総合文化コース
- 地域・国際コース
- 特化コース
1の言語情報コースでは、様々な言語学的なアプローチから言語それ自体の構造や機能を研究、言語の使用に注目、社会的・文化的文脈における言語を相手にする、複数の言語の関係などを研究する。
2の総合文化コースでは、「ある言語とその背景となっている文化・風土・社会に対する理解を深めつつ、その中で生きている、または生きてきた人間そのものに視線を向け、一人一人の人間の思想や感情、そしてその表現様式を手がかりとして異文化を理解しようというコース」で、哲学、比較文学、心理学、文化人類学関連の研究が行われている。
3の地域・国際コースでは、「言語習得を核とする、世界およびそれぞれの地域に生きる人々の目線に立った地域研究や国際研究」を行う。政治、経済、地域史、人権と差別などを研究。
4の特化コースは、2004年から設置された。このコースはさらに5コース(日本語教育学特化コース、英語教育学特化コース、言語情報工学特化コース、国際コミュニケーション・通訳コース、国際協力コース)に細分化されており、4年次に大学院修士課程の単位を先取りして履修でき、大学院入学後1年で修士の学位が取れる。
国際コミュニケーション・通訳コースでは、経済界・産業界で即戦力となる人材が養成されており、国際協力コースは卒業後国際的な機関で働きたい人にぴったりだろう。
東京外国語大学の各専攻では、まずその言語のプロになれる。社会に出てからその言語を武器に使うほどのレベルまで習得できる。それだけではなく、言語、文化、思想、地域など様々な分野から掘り下げて研究ができる。通常大学では曖昧になりがちな、「強み」を学生時代に取得でき、それを就職時などできっと痛感するはずだ。