ひと昔前、タイで飲むコーヒーは、ミルクがたっぷりで激甘。
インスタントが多いからね…。
かつてタイを旅したひとなら、そんな感想を抱くかたが多いですよね?もちろん、ワタシもそのひとり。あまりの甘さにクラリ。おっと、めまいが…なんていうことがよくあった。
が、近年はスターバックスやドトールなどの専門店が進出し、ベーカリーカフェなども増加。本格的なコーヒー「カフェソット」を飲ませてくれるお店が増えたことで、コーヒーに対する意識が向上。いま、コーヒーがおいしくなっている!

トライアングルコーヒー
タイ王室所有の農園で栽培された「トライアングル・コーヒー」。
深めの色がおいしさを誘う。

タイ最北端の山岳地帯、ラオス、ミャンマーが国境を接するエリアは、別名「ゴールデントライアングル」と称され、かつては非合法の麻薬の栽培地域として知られていた。当時タイ北部の山岳地帯では、アヘンの原料となるケシの栽培が主な収入源。それにより治安が著しく悪化し、大量の森林伐採や焼畑などで森や水源が枯渇。貧困問題も深刻化していた。

そんな状況を目の当たりにしたタイ王室は、1988年にあるプロジェクトを発足。題して「ドイトゥン・プロジェクト」だ。
ドイトゥンとは、ゴールデントライアングルに程近いタイの山岳地域のこと。この地域に住むアカ族やラウ族、シャン族などの少数山岳民族の文化を守りつつも、社会的、また経済的に生活を安定させ、森林を再生させるという、人と自然が共存しながら発展することを目的とした計画である。

そのプロジェクトのひとつにコーヒー栽培がある。同プロジェクトを立ち上げた中心人物は、現国王(プミポン国王)のお母様であるソンワーン皇太后。タイ王室が資金を提供し、ケシに代わる収入源となりうるコーヒーの木に白羽の矢を立てたのだ。