鉄道/引退

最後のボンネット型特急電車・能登(4ページ目)

1958年、東海道本線・東京~神戸間に登場した特急「こだま」は日本初の電車による特急列車として颯爽とデビューした。先頭車はボンネット型のスマートな車体で特急らしい風格を備えていた。その後は、北海道・四国を除く全国各地でボンネット型の特急電車が活躍したが、新しい車両の登場に伴い、引退が加速、最後の定期列車だった上野~金沢の夜行急行「能登」の廃止に伴い、半世紀に亘った活躍に終止符を打つ

野田 隆

野田 隆

鉄道 ガイド

名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL・D51を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。

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ボンネット型特急電車よ、永遠なれ

一世を風靡したボンネット型は、幸い各地できれいに保存されている。このうち、さいたまの鉄道博物館で保存されているボンネット型と九州鉄道記念館のものを紹介しよう。

但し、初代ボンネット型151系は、181系に改造されてしまい、現存するものはない。返す返すも残念である。
展示車両の華ボンネット型は2両ある

展示車両の華ボンネット型は2両ある

181系特急「とき」

181系特急「とき」

交直流両用特急電車485系。サボは「あいづ」になっていた

交直流両用特急電車485系。愛称名は「あいづ」になっていた

また、北九州・門司港駅近くにある九州鉄道記念館にも、九州地区で活躍したボンネット型特急電車が保存されている。愛称は日豊本線で活躍した「にちりん」だ。
九州鉄道記念館の485系ボンネット型特急電車

九州鉄道記念館の485系ボンネット型特急電車

おわりに

およそ半世紀前に誕生した「ボンネット型特急電車」だが、今見てもいかにも特急らしく風格あるスタイルには、古さを感じさせない「かっこよさ」がある。このスタイルの車両のデビューとともに、特急列車は、機関車牽引列車から電車方式へと大転換を遂げたわけであるし、「ボンネット型特急電車」の大成功が、その後の新幹線誕生や全国の特急ネットワークへとつながっていく。今日隆盛を誇っている数々の電車特急を見るにつけ、その先陣を切った「ボンネット型特急電車」の功績は計り知れないものがあると感じる。その引退を惜しむとともに、その麗姿をいつまでも記憶に留めたいと思う。
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