都心からは少し離れていますが、わざわざ足を運ぶ価値のあるパティスリーだと言えます。
定番人気の「シュー・ア・ラ・クレーム」「タルト・フロマージュ」
「シュー・ア・ラ・クレーム」(260円)は、外はパリッ、中はやや水分が残るような仕上がりで、中にはコアントロー風味のクレーム・パティシエールがたっぷり。毎回食べたくなってしまう味わいです。「タルト・フロマージュ」(380円)は、アパレイユの密度がとても濃く、ねっとりとした口当たり。しかし、上に塗られているサワークリームの酸味が、後口をキリッとシャープにしてくれています。かなりクセになる味わいですね。
やさしい味わいの「ドゥース」
「ドゥース」(420円)は、マイルドな甘さのミルクショコラムースとまったりとしたハチミツムースを組み合わせた一品。ふんわりとやさしい味わいに合わせて、ムースの食感は限りなくなめらかで、味と風味の印象を焼きつけたかと思うと、口の中で儚く消える。底に敷かれた風味豊かなビスキュイ・ノワゼットも、土台の役目を果たしているだけでなく、自己主張しすぎずにムースの部分と馴染んでいます。
それは、側面に塗されたジェノワーズ(裏ごし状)にも共通していえること。一見飾りとも思えますが、口の中でこのジェノワーズになめらかなムースが絡みつくことで、後口に残る印象がより強められています。
特筆すべきはその甘さ加減。表面に掛けられているミルクショコラのグラサージュの甘みを計算にいれた、全体の甘みバランスがとにかく素晴らしい。しっかりとした甘さがあるにもかかわらず、いつまでも舌に残らず、緩やかな口溶けの後、その甘さがサッと切れる。これには脱帽ですね。