和食/おすすめ和食

てんぷら近藤(銀座)

「野菜のてんぷら」を語る上では欠かすことのできないお店です。野菜の持つ潜在的な甘み、旨み、苦み、香りがフルに活かされています。名物の「“さつま芋”のてんぷら」は注文必須!

執筆者:来栖 けい

「野菜のてんぷら」といえばここ!

“さつま芋”のてんぷら
「近藤」名物「“さつま芋”のてんぷら」です。
「野菜のてんぷら」といえば、何と言っても「近藤」です。そのことを象徴するかのように、1つのコースの中には数多くの野菜が登場します。「アスパラ」を始め、「たらの芽」、「蓮根」、「ふきのとう」、「百合根」、「人参」、「蚕豆」、「さつま芋」など、旬の野菜が盛りだくさん。そしてそのどれもが、魚介の存在を脅かすほどの素晴らしい出来映えなのです。、これらをフルに引き出すための技と工夫によって、もはや野菜が野菜ではなくなっています。「てんぷら」という調理法の凄さは充分に分かっていたつもりですが、まさかこれほどまでとは…。焼くよりも煮るよりも、そして生で食べるよりも断然美味! もしお願いできるなら、野菜だけのコースを味わってみたいくらいですね。


また野菜のてんぷらは、見た目も非常に美しい。極薄の衣から透けて見える鮮やかな野菜の色。魚介だけでは決して出せない季節感溢れるその姿に、私の目はもう釘付けです。口にするのがもったいないくらいですが、1つ食べ終えると同時に「次は一体なんだろう?」そんな期待で胸が膨らみます。食べ進めるほどに幸せな気分になれる、そんなてんぷらですね。
   
メニューの内容は、お昼が「菫」(5,250円)と「椿」(7,350円)。夜が「藤」(8,400円)、「楓」(10,500円)、「蓬」(15,750円)の3コース。この他に、お好みやおまかせコースもあります。ではここで、特におすすめしたいてんぷらをいくつかご紹介します。

「ズッキーニ」…種をくり抜き、生湯葉を詰めて揚げてあります。ズッキーニから出る水分を湯葉が吸い、苦みと甘みが何の違和感もなく絡み合っていますね。夏に供されるてんぷらです。
   
「蓮根」…シャキシャキ&ねっとり。噛むほどに広がる蓮根の甘みが秀逸で、胡麻油との香りのバランスも見事です。冬に供されるてんぷらです。

「人参」…千切り状の人参に、ほんの僅かに衣を纏わせ、油の中へ。花火のように散った人参を、鳥の巣のようにふんわりとまとめて出来上がり。その食感はサクサクハラハラ。とても儚い。口中にやさしい甘みが広がる。

一番のおすすめメニュー!

“さつま芋”のてんぷら
断面です。
「さつま芋」…言わずと知れた近藤名物です。


“さつま芋”のてんぷら
じっくりと揚げます。
円筒状にカットされたさつまいも(千葉県香取郡産)の皮を剥き、豪快に油の中へ。


“さつま芋”のてんぷら
箸で割ると。
30分くらいかけてじっくりと揚げ、ペーパータオルに包んでさらに蒸らすと中まで均一に火が通ります。


“さつま芋”のてんぷら
テンションが上がりますね。
表面はパイ生地のようにサックサク。中は石焼きいものようにホックホク。熱々の蒸気とともに甘~い香りが鼻孔をくすぐります。これぞ究極のさつまいも料理といえるでしょう。


“さつま芋”のてんぷら
こんな感じです。
ちなみにこの「さつま芋」はコースには含まれていないので、単品で追加するかたちとなります(10月~5月頃まで)。


“さつま芋”のてんぷら
これを食ずに「近藤」は語れません!
予約はなかなかとれませんが、おいしい野菜を食べようと思ったら、ここに行くのが一番です。「さつま芋」は注文必須ですよ。


「美食の王様 来栖けい オフィシャルHP&ブログ」

<店データ>
■てんぷら近藤
所在地:東京都中央区銀座5-5-13 坂口ビル9F
TEL:03-5568-0923
営業時間:12:00~13:30L.O./17:00~20:30L.O.
定休日:日曜日、祝日の月曜日
東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅より徒歩3分。
地図:Yahoo!地図情報
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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