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霞町 すゑとみ(西麻布)(2ページ目)

「分とく山」出身の末冨氏が、2005年9月にオープンした割烹料理店です。ボクはここで、一生忘れることのできない「炊き合わせ」&「焼き物」に出逢いました。

執筆者:来栖 けい


これには参りました!

最高潮は、露地ものの賀茂茄子を使った「賀茂茄子の炊き合わせ」と、驚くほどしっとり&ふわっと仕上がった「太刀魚の炭火焼き」です。

前者は、茄子を豪快に半分使った一品で、茄子そのものが持つみずみずしい香りとたっぷりと染みたダシの旨みが、渾然となって味覚、嗅覚を圧倒します。食べ手の心にじ~んと響き渡るそのおいしさは、他の何ものにも代えることはできません。一瞬時間が止まったかのような錯覚に陥り、思考能力も完全崩壊! 素晴らしすぎる一品です。

一方後者は、言ってみれば生醤油にサッとくぐらせた太刀魚を、炭火で焼いただけの一品。しかしこの焼きの技術が実に見事! 素材がいいのはもちろんですが、口中に充満する良質の脂、エキス、そして皮目の程よい香ばしさが、信じられないほどの旨み強さをアピールするんです! 火を入れることで、素材の持ち味をさらに昇華させているのが非常によく伝わってきます。まるで160kmの豪速球でねじ伏せられたかのような感じ。まさに完敗ですね。この直球勝負の一品は、文句なしにボクの中の「食の殿堂入り」に値します。


満足度の高さは日本料理界随一です!

生姜ごはん
土鍋で炊き上げられる「生姜ごはん」。4杯目です。
締めのお食事は、日によって使う素材は違うものの(2種類からチョイス可能)、1組ごとに必ず土鍋で炊き上げられます。これを目当てに来るお客も多い、というだけあって、これがまた最高に美味!

水分量をやや抑えて炊いたお米は、一粒一粒がしっかりと立っていて、滋味溢れるテイストとともに噛み締める快楽をも実感することができます。


蓮根餅
心地よいもっちり感を備えた「蓮根餅」。
ちなみに、この日私が選んだのは「生姜ごはん」。見た目は極めてシンプルですが、初夏の香りをそのまま炊き込んだかのような一品で、手が止まらないのなんの。「おかわり!」の連続で、気づけば土鍋はスッカラカン。蓮根、黒糖、小豆餡などから作られる「蓮根餅」も、「すゑとみ」を語る上では絶対に欠かすことのできない定番デザートですね。

味、雰囲気、コストパフォーマンス……、そのどれもが素晴らしいです! 必ず満足できるはずです。東京で、最も人におすすめしやすい日本料理店と言えるでしょうね。

「霞町 すゑとみ」は、こちらでも紹介されています。

来栖けい最新刊「シェフと美食の王様 選び抜かれた最高の料理人11名と究極の680皿」はこちら。

「美食の王様 来栖けい オフィシャルHP&ブログ」

<店データ>
■霞町 すゑとみ
所在地:東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル3F
TEL:03-5466-1270
営業時間:12:00~13:00L.O./18:00~21:00L.O.
定休日:月曜日
東京メトロ日比谷線広尾駅より徒歩10分。
地図:Yahoo!地図情報
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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