作為義務があるのは、法令で明示されている場合、契約などによって生じる場合、慣習などによって認められている場合があります。
具体的には、次に示す場合などです。
●夫婦の扶助義務(民法752条)
●親権者の子に対する監護義務(民法820条)
判例:母親が死んでもいいと、子どもを餓死させたら、不作為による殺人罪。(大審院判決大正4年2月10日)
●老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者の義務(刑法218条)
判例:医師が迅速容易にできた医療をなさなかった(不作為)の結果、死亡させた場合、保護責任者遺棄致死罪。(最高裁判所刑事判例集42-1-1)
●同居人
●事故の加害者
判例:自動車運転手が通行人に重症を負わせたときは、保護すべき義務がある。(最高裁判所刑事判例集13-8-1163)
●事故の責任者
判例:火気責任者が、容易に消し止められる火事を、延焼の危険を知りながらそのまま放置して立ち去った場合、放火罪。(大審院刑事判決録24-1558)
具体的には次の場合と言われてもまだわかりにくく、判例を示されるとようやく本当に具体的にわかりやすく思えます。最高裁の判例は法律に準ずるものとして扱われ、難しい法律の条文を理解しやすく具体的に示されたもの(現実の話)と言えます。
その判例について最高裁判所が戦後半世紀の判例約7500件を公開しました。今後最新のものまで網羅する予定です。「訴訟などの参考にして欲しい」とのことです(無いに越したことはないのですが)。キーワード検索も可能ですのでのぞいて見て下さい。
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例:事件名を「殺人」で検索すると 185件検索されます。(01/07/19現在)
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