映画化も話題の大ヒットマンガ『ハチミツとクローバー』はもどかしいほど進まない片思いがテーマ。トキめくこと、恋することの根本を思い出させてくれる。 |
大人の片思いのメカニズム
「大人の片思い」ブームが到来?! 映画化もされ、大ヒット中のオトナの片思いマンガ『ハチミツとクローバー』のごとく、今、私の周囲には本気で「片思い」している大人の女が(男も)多い。しかも、美人で(恋も仕事も)キャリア積んでて、現在進行形でモテている30女が!日々、思いを募らせているのに、うまく相手との距離を縮められない、思いを受け入れてもらえない。そんな不条理で苦しい恋愛に進んで身を投じている。摩訶不思議。
基本的に「大人の片思い」は成立しないと思っていた。片思いって“話したこともない先輩に校庭のすみっこから熱視線”みたいな……妄想こみの恋情のことでしょ? ある程度、経験を積んだオトナなら、恋の行方も相手の本意もすみやかに測れてしまうはず。
たとえば、好意を抱いた彼とデートに持ち込んだとする。何度目かのデートで、お互いの間に何か化学反応(手をつなぐとか接吻とか、もっと些細なことでも)が起きなければ、その彼とは、その時は恋に落ちるタイミングではないか、自分のDNAが相手の恋心や情欲を刺激しなかったかのいずれかだろう。現実的に考えて。
その一方では、「時には片思いっていいなぁ」とも最近思う。
次のページでは大人の片思いの効用について考えます。