「ヘーフェヴァイツェン」が誕生したのは南ドイツ。南ドイツでは夏に好んで飲まれるビールですが、北海道の稚内市よりも北に位置する南ドイツの夏は、日差しは強いけれども湿度の低い過ごしやすい季節。日本で飲むなら、春から夏まで美味しくいただけそうです。
南ドイツ由来のスタイル「ヘーフェヴァイツェン」
メレンゲのような泡、ビールの濁り、そしてへーフェヴァイツェン特有の香り。 |
ビールの濁りと、あふれんばかりのメレンゲのような泡は、ヘーフェヴァイツェンの特徴。ビールの濁りは、ビール内に浮遊しているビール酵母と、小麦麦芽に多く含まれるタンパク質によるものです。また、泡持ちの良さは、小麦や小麦麦芽を使用したビールの特徴でもあります。
爽やかな清涼感が味わえる「フランスチカーナー」
ドイツビール「フランチスカーナー・ヘフェヴァイスビア(Franziskaner Hefe Weißbier)」ネット販売では1本380円前後。 |
口にした瞬間、柑橘系の清涼感が口の中いっぱいに広がります。喉を通り過ぎた後、口の中と舌の上にいつまでも、いつまでも残るのが、バナナ、風船ガム、クローブ(西洋料理やエスニック料理によく使われる香辛料で、刺激的な香りが特徴)の味。
この3種の後味、「さっきはクローブの味が強かったのに、今はバナナの味が強い」と、強く主張する風味が口に含むたびに変わるという、とても複雑な味わいのビールです。
クローブ、風船ガム、バナナなどの風味は、このような原料を使用しているのではなく、アルコール発酵の過程でビール酵母によって作り出されるものです。酵母のなせる業に、あらためて驚かされてしまいます。瓶からグラスに注ぐとき、瓶の底に沈んでいる酵母も一緒にグラスに注いで、「ヘーフェヴァイツェン」の外観、香り、味わいを存分に楽しんでください。
レモンを入れれば飲みやすさも倍増
「ヘーフェヴァイツェン」をお店で注文すると、レモンを添えて出されることがよくあります。レモンを入れると、ビールのカクテルのように口あたりがよくなります。「ヘーフェヴァイツェン」特有の風味は、慣れていないと独特に感じるかもしれませんので、もし、「やっぱりちょっと......」と思い、代わりに飲んでくれる人がいなかったら、レモンを入れてみてくださいね。
ただ、レモンを入れると酵母特有の風味が弱まりますので、酵母独特の風味を楽しみたい方には、レモンなしをオススメします。
次のページでは、へーフェヴァイツェン購入に役立つ情報をご紹介します。