「フリー・ソウル」やボサノバ。昼間にひとりでグラスのシャンパン(スパークリングワインじゃなくて、モエ・エ・シャンドン)を普通に楽しむこと。grafの家具の魅力。アプレミディから教わったことが、どれだけ私の生活を豊かにしてくれたことか!
オーナーは音楽プロデューサー、編集者として活躍する橋本徹さん。99年のオープン当初、grafの家具を集めたお店を東京で見かけたことがありませんでしたが、と質問してみました。
「grafの服部磁樹さんとは、もともと音楽を通して知り合いだったのですが、家具工房としてのものづくりの姿勢がいいと思いました。アプレミディでは、新しいものも古いものも自分たちのセンスなりにコーディネートしたいと考えていましたから、シンプルで和の要素がありながら、ヨーロッパの洗練されたデザインとも合うgrafの家具を置いたんです」
当時、東京ではミッドセンチュリーの有名デザイナーによる椅子を集めたカフェが注目されはじめたところ。アプレミディはあえて“匿名の良い家具”としてgrafを選択するという意味合いもあったようです。その後、grafはTRUCK FURNITUREとともに関西を代表するデザイン集団として大人気に。
「関西のgraf好きな人はgrafだけでまとめようとするらしいんだけど、東京で離れているのをいいことに、TRUCKのフロアランプやキャビネットも使ってます(笑)」
身のまわりに溢れる音楽やものの中から良いものを選びとる選択眼の確かさが、アプレミディを作りあげてきたのでしょう。
「決して万人に合わせて作っているわけではない個人の趣味を反映させたお店なので、ご自分に合うかどうか、まずは一度足を運んでいただけたら嬉しいですね。もし気に入ったら、ぜひ通ってください」と橋本さん。
夏の終わりの休日、夕方6時前に夕食をとりに行ったら満席で、CD棚の前の椅子に腰かけて10分ほど待ったことがありました。ちょうどピークタイムの終わりだったようです。休日は夜7時を回るとぐっと空いてきますので、頃合いを見計らってどうぞ。
※満席の場合は、スタッフに携帯電話の番号を告げれば、席が空き次第、電話で知らせてくれます。
街の空気を感じながら親しい人と食事やワインを楽しむ時間は、かけがえのないもの。人生にカフェのある喜びを、満喫してくださいね。