天井が高く自然光のたっぷり入る2階席
自分の手でクルミを割りながら
かつてイギリスで使われていたというアンティークの椅子が並ぶ明るい2階フロア。やはりアンティークのパイン材のテーブルの上には、キノコそっくりの木製くるみ割り器(写真下)と、「ご自由にお召し上がりください」という言葉を添えたクルミの実が置かれています。
なぜ、クルミの実かって? それはぐりとぐらが冬ごもりのために、森の家であるクルミドコーヒーに木の実を集めてきたから!
それではなぜ、キノコ型かって? それは森に棲む小さなキノコたちが、朽ちた古木を分解して土に還すという生命の大きな循環の象徴ともいえる存在だから。
自分の手でクルミを割った体験がないという人もいることでしょう。クルミドコーヒーを訪れたらぜひ、固い殻を割って食べる楽しさをご堪能くださいね。そしてもし気が向いたら、楽しさの中に潜む世界観にも目を向けてみてください。
キノコのようなクルミ割り器と、さまざまな種類のクルミたち
未来を秘めたクルミの実
「じつは僕の好きな食べものといえば、くるみパン、トウモロコシ、天津甘栗、フィッシュ&アーモンド。店づくりを相談したカフエマメヒコのオーナー井川さんに“全部、かじるものばかり”と指摘されました(笑)」
好きな食べものから着想を得た店づくりは、クルミという、その小さな殻の中に大きな未来を秘めたアイコンを決定したことで、森の中の野ねずみの家という秀逸なコンセプトへと膨らんでいきます。
「生まれ育った西国分寺の街にクルミドコーヒーという種を植えることで、地域の未来につながっていくことを願っています」と影山さん。お店で扱うものや日常生活のなかで自分が触れるものひとつひとつのルーツや背景をきちんと語れるようになりたいと、長野のクルミ生産者を訪ねるなど、ていねいで地道な活動を積み重ねています。