自然派ワインとビストロ料理の“夜カフェ”
三軒茶屋の駅から少し離れた住宅街の一角。わかりにくい場所にあるこじんまりしたお店なのに、夜が深まるにつれて次々に大人たちが訪れ、和やかな会話とあたたかな空気に満ちてゆくUGUISU。
そんな立地のカフェが連日にぎわう理由はひとつだけ。料理がおいしくて、安くて、お店の空気が魅力的--この3つをバランス良く満たしていること。UGUISUはまさに三拍子が揃った夜カフェです。そのうえ身体に負担をかけないオーガニック(ビオ)ワインにこだわった品揃え。人々が足しげく通いたくなるのもうなづけます。
でも、カフェと呼ぶより「ビストロ料理を供するワインバー」と呼ぶほうが正確なのでは?……という小さな疑問は、オーナー紺野真さんのお話をうかがって氷解しました。今回の記事は、「カフェは何かが生まれる場所」という紺野さんがつくりあげた小さな名店をご紹介します。
古ぼけた外観の中に…
築30年以上を経た、なんとも冴えない外観の建物。内部にこんなに素敵な空間が隠れていると知らない限り、まちがいなく横目で見ただけで通り過ぎてしまうでしょう。
「改装したら雰囲気の出そうな物件を探したんです」と紺野さん。
もとは喫茶店として造られたスペースで、その後に何軒かスナックが入居。UGUISUの店内にはカウンターをはじめとして、スナックの“遺産”が活用されています。同じひとつのモノが、全体の雰囲気が違うだけで、まったく別物に感じられるから不思議ですよね。