そう言って笑う車田さんは、自然や動物保護の仕事に就くための専門学校に通っていたほどの動物好き。卒業後の就職先として動物園勤務などの道がひらかれていたのですが、「動物園という、決して自然ではない環境での動物とのふれあいに矛盾を感じるようになって」好きな道を断念したそう。
化学調味料を使わずに、素材の旨味をひきだす
「20年ほど前に母が地元で手作りのスイーツを出す喫茶店を開いて10年間続けたのを見て、その大変さと楽しさを知っていたし、大学時代から飲食店でアルバイトをしていましたので、カフェはもともと遠い世界ではありませんでした」
ease by LIFEのメニューの中には、母が考案したお料理やスイーツを見て、ヒントがひらめいたものもあるといいます。化学調味料を使わない、よけいなものを加えない、シンプルな素材から最大限の旨味をひきだすことに工夫を凝らした手作り料理の数々は、いったい何品あるのか、この規模のカフェとしてはちょっと信じがたいバラエティの豊かさです。
「多くの飲食店のキッチンで、化学調味料(缶に入ったチキンブイヨン等)を目にしますが、easeではそれらは一切用いず、塩、胡椒、スパイスだけで素材そのものの持つおいしさをひきだすよう心がけています。どう調理するかというと、たとえばお肉のグリルのソースを作る場合、お肉を焼くときに出てくる肉汁をうまく利用して味つけをします。あとは余分なものを加えず、食材を上手く組み合わせうまみを重ねていくだけ。素材の持ち味を最大限に活かすため、火加減と塩加減にはとくに注意を払っています」