人間は『目』で食べている
『目で味わう』という言葉があります。和食は特にそうですが、味だけではなく、器や盛り付け、彩りなどにも気をつけながら調理を行っていると思います。食品においても、たとえばカップめんのように、おいしそうな調理見本をパッケージに印刷するなど、販売にも視覚が重要な意味を持っています。
逆に視覚を悪用したのが昨今の食品偽装であるといえましょう。たとえば牛肉やウナギなどがニュースになりましたが、有名産地名が書かれていると、中身が違うものでも人は信じてしまいます。信用問題と言ってしまえばそれまでですが、「どうして食べていないのにわかるんだ?」という気持ちも少しあります。
また、視覚はその『物』が何であるかのサインでもあります。たとえば、紅茶飲料は、ストレートティは赤、レモンティは黄、ミルクティは白のように、色で中身を表現しています。
この色づかいが法律で決まっているわけではないのですが、どこの会社も同じような色づかいですよね。缶コーヒーも豆の種類によって缶の色が違っていたりします。(ブルーマウンテンは青、キリマンジャロは緑、モカは赤が多い)
このような傾向は、パソコン業界だと『デファクトスタンダード』(事実上の標準)、社会心理学の用語だと『社会的現実』(はっきりした理由は無いが、社会的にそうなっている)と言うそうです。
醤油ではありません
コンビニでキッコーマンの醤油を買ってきて、並べてみました。『キッコーマンと比較するとちょっとマイナーな醤油』という感じです。
かすかにオレンジ色が見え、カラメル色素でオレンジ果汁飲料に着色していることがわかります。
『なんちゃって』度はどれくらい?
以前、同社からオレンジ色のグレープソーダだったかグレープ色のオレンジソーダが出ていましたが、中身としてはこちらのほうがインパクトがあったと思います。でも、社会的現実から考えると、オレンジソーダのつもりで買ったのにグレープソーダ、またはその逆だったため、消費者からのクレームも多かったのではないかと思います。
『クレームの発生を最小限にとどめ、たくさん売れるもの』と考えると、今回のようにパッケージ勝負になってしまうのでしょう。
なんちゃってオレンジブランドサイト
なんちゃってオレンジ動画サイト(Youtube)