コンビニグルメ/ソフトドリンク

缶コーヒーレビュー2006(3ページ目)

毎年恒例の缶コーヒーレビュー、2006年版です。皆様からいただいたご感想を参考にし、味・容器・宣伝・懸賞の特徴や傾向など、多角的な考察を行います。これが2006年の缶コーヒーです!

久須美 雅士

執筆者:久須美 雅士

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ジョージアの迷走を考える

さて、ここからは個別のトピックについて書いていきます。まずはジョージアについてです。

いただいたご感想によれば、2006年に発売されたジョージア缶製品は28種類だそうです。リニューアル品もありますが、それにしても多すぎるバリエーションであります。地域限定品、季節限定品がとても多く、時季が過ぎるとディスカウント店で叩き売りされるという状態が続いています。CMのコンセプトもここ数年は1年ごとに変わっています。理由として、他社のような『独自のコンセプト』が無いことでしょうか。

ジョージア夏カフェジョージア秋珈琲
コカ・コーラというと他社ヒット商品の『二匹目のドジョウ』を狙うというパターンが多いです。ポカリスエットに対するアクエリアス、十六茶に対する爽健美茶などがあります。他社のヒットに便乗する商品を出しつづけていれば現在のようなラインナップになることは明らかです。商品のコンセプトが見当たらない故、宣伝についてもフォーカスが定まらないのでしょう。日本コカ・コーラの社長が日本人から外国人に交代し、今後どのような販売方針をとっていくのか、注目に値するところです。

ネスカフェはどこに行く?

次に、味には定評があるのに、さほど話題にならないネスカフェです。2005年に発売された『匠』シリーズをリニューアルし、新たに6種類のラインナップを揃えました。CMも引き続き伊東美咲さんと桂歌丸師匠が登場していますが、誰もが飲んでいるという状況ではないように見受けられます。ポイ捨ての空き缶でネスカフェの空き缶を見たことがありません。
ネスカフェ砂糖不使用カフェオレネスカフェエスプレッソ

ネスカフェスパークリングカフェ
もう一つのビックリが『スパークリングカフェ』でしょうか。私自身『R25』で試飲記事を書いたこともあり、以前のコーヒースカッシュに比べれば確かにおいしいのですが、結局一般消費者には受け入れられなかったようです。
インスタントコーヒーでは王者であるネスカフェが、どうして缶コーヒーでは苦労しているのでしょう。まず『インスタントコーヒーと缶コーヒーは別物である』こと、ジョージア同様、コンセプトを絞り込めないことが理由でしょうか。そこから考えると、スパークリングカフェは『仇花』といえるのではないでしょうか。

2007年の缶コーヒーはどうなる?

まず味覚・嗜好からですが、現在の景気が当面続くとなると、甘くないコーヒーの比率が高くなってくるのではないかと思います。癒しのための飲み物ではなく、覚醒のための飲み物になっていくのではないでしょうか。『挽きたて工房』のような、鮮度重視の品も増えていくことでしょう。

品数的にはそろそろ淘汰が始まるのではないかと思います。少量多品種から少品種大量生産へ。定番商品しか配置されないこと、また、限定製品を販売期間中にさばききれない現状を考えますと、主力製品以外は消えてしまう運命にあることでしょう。

あと予想されるというか期待しているのがブランドのリニューアル。サッポロ飲料『ジャック』がそろそろリニューアル、CM展開をするのではないかと思います。また、伊藤園のタリーズコーヒー買収により、タリーズブランドでの缶コーヒー販売も期待できます。(チルド製品は5月に発売されるようです)

期待できるのかできないのかよくわからない2007年になりそうですが、せめて『缶コーヒーレビュー2007』が執筆できるほどの話題はあってほしいと思っています。

『缶コーヒーレビュー2005』
『缶コーヒーレビュー2004』
『缶コーヒーレビュー2003』

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