人間は『思い出』で生きている
夏休みの歌というと、井上陽水さんの『少年時代』を思い出します。この歌を聴くと、まだテレビゲームもエアコンも無かった小学生の頃の夏休みを思い出します。それからすでに30年以上が経ちました。もう一度あの頃に戻りたい(というか、小学生からもう一度やりなおしたい…)気持ちもありますが、それは無理というものです。せめて当時のお菓子やインスタント食品を食べて、子どもの頃を思い出すのが関の山でしょう。しかし、一つのお菓子からでも、いろいろなことを思い出すことができます。どの世代でも、「あんなお菓子があったよね」とか「こんな飲み物あったっけ」という昔話が出てくるのではないかと思います。
表紙カバー |
初見健一・著
ISBN4-903175-00-6
本体730円+税
実は定番食品カタログ
この本は、高度経済成長時に発売された商品や、その時代に少年少女期を過ごした人たちの記憶に強く残っている商品を中心に、100点の食品を紹介しています。ただ紹介しているだけではなく、現在でも購入できる商品を紹介しているというのが売りです。永谷園『松茸のお吸い物』や不二家『ミルキー』のように、商品によっては「今でも当たり前のように食べている」という商品も少なくありません。つまり、この本は『定番食品カタログ』でもあるのです。
人間という生き物、どうしても新奇なものに目がいってしまい、見慣れたものは存在すらわからなくなります。今回紹介した『まだある。』は日本人の定番お菓子・食品を今一度見つめなおすのにも最適な本かもしれません。
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