新潟はイタリアだ!
この言葉はかつて新潟のテレビ局で長年放送されていた食べ歩き番組(BSN新潟放送:さわやか味のスケッチ)のレポーター、柳生直子さんが著した本のタイトルです。確か食材の豊富さがイタリアに勝るとも劣らないということで付けられたタイトルだと記憶しています。さて、新潟市でイタリアというと誰もが思い浮かべるのがファーストフード店・みかづきの『イタリアン』か新潟で一番の老舗洋食店『イタリア軒』。イタリアンはイタリアとは全然関係がありませんが、イタリア軒はイタリアと深い関係があります。イタリア軒はどういう洋食店なのでしょうか。パッケージの裏面に歴史が書いてありますので、要約して紹介したいと思います。
1874年(明治7年)、新潟にやってきたフランスの曲馬団のイタリア人コック、ピエトロ・ミリオーレが大怪我をし、新潟に置き去りにされてしまいました。それを不憫に思ったときの新潟県令(現在の県知事にあたる)楠本正孝が牛鍋屋の店を出すことを勧めました。ミリオーレの手当てをしていた医師・竹山屯(竹山病院[オギノ式で著名な荻野久作博士が勤務していた病院]初代院長)も援助を惜しまなかったそうです。ミリオーレの牛鍋屋は1880年(明治13年)の大火で消失しましたが、周囲の人々の支援により、日本で最初の本格的な西洋レストランとして再建、名前も『イタリア軒』と命名されました。1976年(昭和51年)からは『ホテルイタリア軒』としてホテル業も始めました。ちなみに、イタリア軒は『リストランテ・ヒロ』の山田宏巳シェフが最初に修行した店でもあります。
このイタリア軒から創業130年記念として、この8月1日に『柳都にいがた・イタリア軒物語』というレトルトソース3種類(カレー・ハヤシ・ミートソース)が発売されました。パッケージには新潟市出身のイラストレータ・玉井一利氏の筆による『懐かしの新潟』が描かれています。
柳都にいがた・イタリア軒カレー物語。
イラストは萬代橋とイタリア軒旧館
柳都にいがた・イタリア軒ハヤシ物語。
イラストは白山公園入口とイタリア軒旧館
柳都にいがた・イタリア軒ミートソース物語。
イラストは旧新潟駅とイタリア軒旧館