茶飲料の普及は『清涼飲料=オレンジジュースもしくはコーラ』(つまり、結婚式や宴会で子どもや酒が飲めない人が飲むもの)という公式を崩してしまいました。そのような状況で流行したのが『レモン水』に代表されるニアウォーターでした。サントリーは弱炭酸でビタミンCがたくさん入っていることを売りにした『C.C.レモン』を発売し大ヒット、ずっと販売されています。ポッカは『ポッカレモン』というレモン果汁がありますので、その威信をかけて『レモンの雫』を販売いたしました。こちらもそれなりに売れていたと記憶しています。
●一煎(キリン)/茶流彩彩 ゴーヤー茶(コカ・コーラ)
キリン一煎は日本のビールメーカー関連の飲料メーカーが緑茶飲料に本格参入した頃の緑茶飲料です。『生茶』のご先祖様に当たるわけですが、まだ生茶のような冒険はできない時代で(CMも然り)ありました。CMタレントは野村宏伸さんでした。
茶流彩彩のゴーヤー茶は沖縄限定の茶飲料です。製造は沖縄県経済連でして、規格外のゴーヤー(ニガウリ)の利用方法として考えられたものなのだそうです。当時、これがどうしても欲しくて、沖縄コカ・コーラに手紙を書いたら、「送料だけ負担で1箱サンプルを送るよ」と返事があり喜んだのですが、払った着払い送料が信じられないくらい高かったことを覚えています。この年には茶流彩彩シリーズで『爽健美茶』や『杜仲茶』も発売されました。『爽健美茶』はアサヒ十六茶の二番煎じなわけですが、これはネーミングの勝利でしょう。
●PEPSI MX(ペプシコ・インク日本支社)/シュウェップス・コーラ(朝日麦酒)
『コカ・コーラ ライト』や『ダイエットペプシ』のようなローカロリーコーラは既に販売されていましたが、この『PEPSI MX』は砂糖無使用の新しい味のコーラとして販売されたものです。海外では『PEPSI MAX』というネーミングでしたが、日本では商標の関係で『MAX』が『MX』になっています。人工甘味料のいやらしい甘さが無く、私は好感を持ちましたが、いつの間にか消えてしまいました。コーラのメインユーザーである青少年男子にとって、カロリーなんてどうでも良かったのでした。
『シュウェップス・コーラ』はまだアサヒビールが製造販売権を持っていた頃の製品です。深い青メタリックのパッケージが『大人の炭酸飲料』というイメージを感じさせます。このパッケージは現在の『カナダドライ』(親会社はシュウェップスと同じ)に相通じるものがあります。販売権をコカ・コーラが持っていなかったら、もう一度このパッケージで発売してほしいですね。