1994年というと、阪神・淡路大震災やオウム真理教(当時)の地下鉄サリン事件の前の年になります。インターネットも普及しておらず(まだ『パソコン通信』でしたね)、私は全国各地を一人で歩き回って収集するスタイルでありました。また、パソコンを買い、集めた缶をパソコンで管理するようにしたのもこの年でした。今思うと、1990年代の転換点が1994年と1995年の間(厳密に言うと1995年1月17日)にあったのではないでしょうか。それから考えますと、1994年はバブル崩壊後とは言え、まだまだのんびりした年だったような気がいたします。
1990年代に入って普及した缶入り緑茶ブームも一段落し、お茶にシェアを奪われた炭酸飲料や果汁飲料に新しい流れが起こり始めたのが1994年頃だったと記憶しています。また、缶コーヒーや茶飲料でも斬新な商品が発売されました。まずは皆さんご存知のものからどうぞ。
●カルピスウォーター(カルピス)
1991年の発売時、圧倒的な人気を誇ったカルピスウォーターの発売4年目のパッケージです。ローカロリー版とレモン味もありました。CMに出演していたのはタレントの奥山佳恵さん。当時のアイドルも現在はお母さん、私にとって10年という時間は『ほんのさっき』のような気がしますが、世間はとても変化してしまっているのでした。
●ブラック・無糖(UCC上島珈琲)
本格的無糖ブラックコーヒーの販売は1992年のカネボウ『ベルミー カフェ・エクリュ』が最初だと考えていますが、消費者に浸透したのはこのUCC『ブラック・無糖』ではないかと思います。缶には『Drink it Black』(ローリング・ストーンズ『Paint it Black』のもじり)と書いてあり、CM曲はディープ・パープルの『Black Night』を使用と、ハードロック系で攻めていたのが購入層にウケたのでしょう。
実はこの『ブラック・無糖』、ミルク入りというのも出ていました。それが右側の写真です。この後、白い缶になりましたが、ミルクだけというのはヘビーユーザーからすると中途半端なのか、短命に終わっています。