ドクターペッパーはアメリカ合衆国テキサス州発祥の炭酸飲料です。発売は1885年で、コカ・コーラの1886年よりも長い歴史を誇ります。恋に破れた若い薬剤師が失恋の痛手を紛らわせるために考え出したという有名なエピソードがあります。また、ピンクレディーの『ペッパー警部』もドクターペッパーから来ていると、この歌を作詞した阿久悠氏が新聞に書いていたのを見たことがあります。
今まで日本国内では、首都圏と沖縄でしか販売されていませんでしたが、この春から他の地域でも販売されるようになりました。私が見たのは山形県米沢市内ですが、北海道でも発売になったとの話も聞いています。私は以前から『ドクターペッパー私設応援団』を名乗り、自販機でドクターペッパーを見るたびに買って飲んでいましたので、販売地域の拡大は非常にうれしいものがあります。
ところが、このドクターペッパー、なぜか日本国内では「まずいソフトドリンク」という評価をする人が多いです。味は20種類の果実フレーバーのミックスで、特にチェリーとバニラの味を強く感じます。以前、コカ・コーラから『チェリーコーク』というチェリー味のコーラが出ていました。しかしこれも、「変な味」と言われ、短命に終わったことからも察することができますが、なぜか日本ではチェリー味の炭酸飲料は受け入れられないのです。よって、日本での販売地域は外国人の多い首都圏と沖縄に限定せざるを得なかったわけです。
日本では東京コカ・コーラボトリングが最初に販売しました。しかし、これを快く思わなかったコカ・コーラは『ミスター・ピブ』というドクターペッパーの類似商品を販売するよう全国のコカ・コーラボトラーに要請しましたが、結局これもすぐ消えてしまいました。その後ドクターペッパーは、首都圏・沖縄のコカ・コーラボトラーの関連会社を通じて販売されました。爆発的に売れたわけではありませんが、細々と安定して供給されていましたので、私のようなドクターペッパー好きが困ることはありませんでした。