缶詰は腐敗しやすい食品を長期間保存するための方法として1804年にフランスで考案されたものです(はじめは缶詰でなく瓶詰めだった)。当初は食品とは言えど、どちらかというと食材の保存に用いられていました。食材の缶詰というと、かつては鯖の水煮、ツナ、カニ、アスパラガス、ホールコーン等などが思い浮かぶと思います。すぐ食べられる物の缶詰は、果物のシロップ漬けやコンビーフ、鯨の大和煮など僅かな種類しかなかったと記憶しています(昭和40年代前半~中期の話です)。

ところが最近は、食材よりも調理済み食品の缶詰をスーパーマーケットやコンビニエンスストアでよく目にします。焼鳥や焼肉、さんま蒲焼、ミートソースなど、食材の缶詰よりも種類が多いように感じます。これは一から食事を作るのではなく、調理済み食品やレトルト食品等を使って食事を作るスタイルが一般的になったのも、その理由かもしれません。そこで、最近の調理済み食品缶詰はどのような味なのか、コンビニでマルハの『まぐろほぐしみ味付け煮こごり風』をピックアップして試食してみることにしました。

実は沖縄の豚料理のような、煮こごりのゼラチン質がプルプルするのが好きでして、これもそんな感じなのかなと思い買ってみたのです。フタを開け、皿に移しかえましたが、タレはサラっとしていて期待したほどのプルプル感はありませんでした。どちらかというと、煮込んだというより漬け込んだ感じです。味はしっかり付いておりましたので醤油をかけたりする必要はありません。むしろ少ししょっぱいのですが、しょっぱい位が酒の肴には最適でしょう。これからだんだん気温が上がり、生ビールがおいしくなる季節がやってきます。家に帰ってすぐに飲みたい時はコンビニで缶ビールといっしょに買って行きましょう。

いろいろバリエーションの増えた缶詰ですが、各種缶詰の試食や評論を専門に行っているサイトは皆無なのです。あっても世界一臭いと言われるスウェーデンのニシン缶詰『シュールストレミング』の試食サイトばっかりです。いまだに食材保存用というイメージが強いのが、缶詰研究サイトの無い理由でしょうか。『ない情報はない』と思われるインターネットですが、このようなエアポケットも時々あります。そこで今回は敢えて缶詰を採り上げてみました。レトルト全盛の昨今でもスーパーの缶詰コーナーは決して消えてしまうことはありません。チャレンジャーの登場を心待ちにしております。
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