今年の春は茶飲料の新製品ラッシュです。これは昨年発売のキリンビバレッジ『生茶』がヒットした影響もあるのでしょう。新製品の味見は各社の新製品が揃ってからのお楽しみ(私の住む新潟は首都圏より新製品が出回るのが遅いのです)ということにして、今回は容器に注目してみようと思います。

昨年ビールの容器に採用されて話題になった『ボトル缶』を使う茶飲料がいくつか出ています。写真はアサヒ飲料の鉄観音とサッポロの玉露入り緑茶ですが、この他にも日本サンガリアからも出ていますし、キリンの新製品『聞茶』もボトル缶で発売されると聞いております。そういえば、昨年の暮れから今年の初めに発売されたペプシコーラ21世紀記念缶もボトル缶で販売されましたね。

清涼飲料水の容器が変わっていった理由は流通の問題が一番だと思います。はじめは重くて割れやすいガラス瓶でした。それが金属缶入りになり、20年ほど前にペットボトルが使用されるようになりました。最初は1.5リットル~2リットルの大容量容器にのみ使用されたのですが、数年前に小容量ペットボトルの自主規制が撤廃され、缶に代わってコンビニの冷蔵庫に350ml~500mlのペットボトルが並ぶようになりました。

ペットボトルは軽量で丈夫、缶と違い中身も見えるということでよく使われるようになったのですが、欠点もいくつかあります。僅かではあるが空気を通してしまうこと、容器が透明なため内容物が光の影響を受けることから品質保持期限が缶に比べ短いのです。またリサイクルについても、欧米ではガラス瓶のようにそのまま再使用することが前提に製造したのですが、日本では一回限りの使用を前提に製造していたり、地域のゴミ処理状況によって処理に差があること、キャップと本体の材質が異なるなど、ガラス瓶や金属缶に比べるとリサイクルには課題がたくさんあります。

そのようなペットボトルの欠点を解消すべく、大和製罐が開発したのがボトル缶(商品名:ニューボトル缶)です。金属容器ですので空気や光はもちろん通しません。また、容器もキャップも100パーセントアルミニウム製ですので、リサイクルにも何ら問題はありません。重量も意外なことにペットボトルよりも軽量です。金属缶ですから、全面印刷も可能です。キリンの『聞茶』も陶器をモチーフとしたデザインになっているそうです。
欠点としては中身が見えないこと、若干衝撃に弱いこと、レトルト対応のキャップ(缶コーヒーは缶に詰めた後にレトルト釜で殺菌する)と無菌充填ラインが開発中ということがありますが、これらは将来的にクリアできる問題でしょう。

このように流通、リサイクルでも利点が多く、これから注目される容器であることは、オーストラリアのブリスベーンで開催された金属容器の技術展覧会『キャネックス2000』において、全部門を通してのグランプリである『キャン・オブ・ザ・イヤー』を日本の製罐メーカーとして初めて受賞したところからも理解できるかと思います。

清涼飲料水においては、空気(酸素)と光を嫌う緑茶飲料からボトル缶が採用されたわけですが、他ジャンルにも採用されることも確実です。あのコカ・コーラもボトル缶を発売するという噂があります。これからの展開を注意して追っていこうと思います。


大和製罐 - http://www.daiwa-can.co.jp/
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