1.国境を越え愛されるケーキの理由
2.ロサンゼルスにお店ができるまで
3.食材のこだわり&困難な食材購入
4.未知なる可能性を秘めるカフェ
以下
*黒文字「アマンディーヌ」豊島竜太社長
*青文字「洋菓子ガイド」下井美奈子
アメリカというより、食の起源であるヨーロッパの味を追求しています。例えばチョコレートはアメリカのものは使用したくないので、ヨーロッパから取り寄せています。
日本のマカロニマーケットと同じレシピを使用されているそうですが、同じ味を再現するのに日本と、アメリカの食材の違いで困られませんか?
例えば小麦粉は、アメリカではオールパーパスの粉が主流なので、いわゆる強力粉、薄力粉など手に入りにくいですね?
その通りです。まず粉のブランドを色々買ってきて、日本から技術者をよんで、どの粉がよいか試作をしました。 良い粉を探すのがとても苦労した分、粉の味が上手いパンやケーキができたと思います。 また現在、粉はカナダから取り寄せています。
卵はアメリカのものは質がよくないと思うのですが、どうされていますか?
普通に流通している卵の黄身は蛍光色のような薄い黄色の卵ですよね(笑)。
とくにカスタードは卵の味が顕著に出るので注意し、放し飼いの鶏の卵を使っています。 黄身の濃さが違いますね。それによりコクのあるカスタードができます。
生クリームはどうですか?
日本では脂肪分45%のものが手に入りますが、アメリカでは40%以下のものしか量販用では購入できないのです。
アーモンドプードルもなかなか質のよいものがありませんがどうされていますか?
見つけるのに非常に苦労しました。質の高いアーモンドプードルを探し、フランスからの輸入も考えたのですが、 日本でならまだしも、アメリカで購入するとコスト的に高すぎます。
探して探してアメリカ産で美味しいものを、やっと見つけたのですよ。 このアーモンドプードルだけで1つの業者と契約しています。
バターはどうですか?
バターはアメリカ産の美味しい発酵バターを見つけました。バターをふんだんに使うクロワッサンで味の違いをみてください。 チョコレートにもこだわっているので、チョコレートのクロワッサンは、フランスの味に負けないですから!
(取材後、チョコレートのクロワッサン=Pain au Choclatを食べたらその美味しさに感激した私でした。)
LAでは、まだ日本人が経営している洋菓子店は少ないですから、アマンディーヌはまさに先駆者的な存在だと思うのです。 前例のない中、食材の業者を探し、その業者から商品を購入し、契約することは並大抵のことではないと思うのですがいかがですか?
いや、本当大変でしたよ(笑)。「日本人なのに、なんでフランスの食材が必要なんだ?」と、 問屋に日本人だということでもバカにされますし…。信用してもらうまで時間もかかります。
また日本ではありえないことなのですが、問屋が品切れをおこすのです。始めの頃、必要な材料が手に入らなくなり 困ったことがあります。それからはリスクを防ぐために、自分で在庫を多めにもつようにしています。
またオーダーしたものが手元に届かないこともあたりまえ(笑)。
例えばこの胡椒が欲しい、といったら違うタイプの胡椒がくる。そうすると相手は平気で「同じ種類だからいいじゃない」 と開き直られるわけです。業者との取引は日本にくらべ仕事が何倍にも増えるわけです。(笑)
次のページは「未知なる可能性を秘めるカフェ」についての対談です
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